茨城新聞Web(2004/3/12)
日立電鉄線の廃止問題 県が試算 赤字幅半減の公算も日立電鉄線の廃止問題で、会社側が廃線の理由として発表した向こう五年間の収支見通しに基づき、県が独自に試算し直した結果、毎年の赤字幅は会社側の示した約1億4000万~約2億8000万円に対し半分以下の約7、8000万円程度に抑えられる公算があることが3月11日明らかになった。同日の県議会・総務企画委員会で、塩見英之企画課長が武藤均氏(自民)の質問に対し明らかにした。

県によると、試算は会社側が提示した2004~2008年度の投資修繕計画の内容を精査。会社試算にあった冷房化のための変電所新設計画、車体変更計画を先送りし、枕木のコンクリート化や変電所改良投資の平準化など経費を見直した上、日立市や常陸太田市、県などの補助金の拡充揉み込むと、毎年度7000万円~8000万円の公的支援があれば、日立電鉄線を存続させること出来る、というのもです。

さらに、仮に廃線してバスの運行に切換えると、沿線道路の交通混雑度合いが二倍以上に激化し、バス事業の収支は数千万円単位の赤字になる、という県独自の見通しを発表しました。
この問題では、すでに地元の日立市長は、日立電鉄に対する存続に向けた経営支援を断念する意向を議会で表明しています。一方、常陸太田市では、存続の可能性を求める意向が強く出されています。
日立電鉄側と日立市、常陸太田市、県、国、そして利用者、住民が同じテーブルに着く、検討の場の設置がどうしても必要です。廃線の正式な届出は、すべての関係者の納得と同意をもって行われるべきです。
日立電鉄が作成した収支見込み
●収支損益
項目 | H16 | H17 | H18 | H19 | H20 | |
収入 | 3億1,200万円 | 3億0,000万円 | 2億8,900万円 | 2億7,800万円 | 2億6,800万円 | |
営業経費 | 4億6,200万円 | 4億5,600万円 | 4億4,800万円 | 4億4,500万円 | 4億5,300万円 | |
うち修繕費 | 9,600万円 | 9,000万円 | 8,900万円 | 8,400万円 | 8,400万円 | |
営業損益 | ▲1億5,000万円 | ▲1億5,700万円 | ▲1億6,000万円 | ▲1億6,700万円 | ▲1億8,500万円 | |
設備投資・修繕費の自社負担額 | 1億7,000万円 | 1億4,000万円 | 1億3,800万円 | 2億0,600万円 | 2億5,400万円 |
●資金収支
項目 | H16 | H17 | H18 | H19 | H20 | |
調達 | 営業損益 | ▲1億5,000万円 | ▲1億5,700万円 | ▲1億6,000万円 | ▲1億6,700万円 | ▲1億8,500万円 |
減価償却費 | 5,800万円 | 6,200万円 | 5,900万円 | 6,300万円 | 7,400万円 | |
運用 | 設備投資 | 7,400万円 | 5,000万円 | 5,000万円 | 1億2,200万円 | 1億7,000万円 |
単年度過不足額 | ▲1億6,600万円 | ▲1億4,500万円 | ▲1億5,100万円 | ▲2億2,600万円 | ▲2億8,100万円 |
県が精査した収支見込み
●収支損益
項目 | H16 | H17 | H18 | H19 | H20 | |
収入 | 3億1,200万円 | 3億0,000万円 | 2億8,900万円 | 2億7,800万円 | 2億6,800万円 | |
営業経費 | 4億1,600万円 | 3億8,900万円 | 3億7,500万円 | 3億5,900万円 | 3億5,500万円 | |
うち修繕費 | 7,200万円 | 6,000万円 | 5,500万円 | 4,500万円 | 4,500万円 | |
営業損益 | ▲1億0,500万円 | ▲9,000万円 | ▲8,700万円 | ▲8,100万円 | ▲8,700万円 | |
設備投資・修繕費の自社負担額 | 8,000万円 | 7,300万円 | 7,600万円 | 7,400万円 | 7,300万円 |
●資金収支
項目 | H16 | H17 | H18 | H19 | H20 | |
調達 | 営業損益 | ▲1億0,500万円 | ▲9,000万円 | ▲8,700万円 | ▲8,100万円 | ▲8,700万円 |
減価償却費 | 5,000万円 | 4,600万円 | 4,200万円 | 4,200万円 | 4,300万円 | |
運用 | 設備投資 | 800万円 | 1,300万円 | 2,100万円 | 2,900万円 | 2,800万円 |
単年度過不足額 | ▲6,200万円 | ▲5,600万円 | ▲6,600万円 | ▲6,800万円 | ▲7,200万円 | |
県と会社の収支見込み比率 | 37.3% | 38.6% | 43.7% | 30.1% | 25.6% |
残念ながら「日立電鉄線廃止問題市民フォーラム」には、土浦で会合があり参加できませんでした。
今日(3/22)新聞各紙のその模様が掲載されていました。
日立市出身で、「路面電車ルネッサンス」の著者でもある日銀物価統計課長の宇都宮浄人さんは、電鉄が廃線の理由にしている輸送人員の低さ、設備の古さについて、他の地方鉄道と比較して、さほど見劣りはしないと指摘。交通渋滞、市街地の衰退、老人など弱者への負担のしわよせに懸念を示した。さらに、市民出資の鉄道としてよみがえった富山県高岡市の万葉線の例を挙げ、「ヨーロッパでは、環境にやさしい鉄道が見直されている。経営面だけから見た廃線はおかしい」と述べた。との記事が掲載されていますが、正にその通りだと思います。
田﨑さんのご立腹のご様子も理解できます。
効力はないかもしれませんが、国交省への陳情なども検討したいと思います。
3月20日の泉が森公民館で開催されたホーラムに参加しましたが一言に言わせて頂きますと失望の極みでした。
すでに樫村日立市長は日立電鉄の理事会で廃止に賛成している以上、態度を翻す事ができないとは思いますが
日立電鉄の小野常務の説明には最初に廃止ありきで、それに辻褄を合わせた説明であり何が何でも廃止との態度であった。
日立市の豊田企画課長の赤字路線は面倒を見る事が出来ないとニベもない答弁で日立市は日立市民の意思の結集できる機関であったはずであるが、日立電鉄の代弁者になりさがり市民と共に問題を解決しようとする態度に欠けていたのが市民として許せない。
高齢化が進むなかで、われわれ市民は病院に通院する頻度も多くなり、孫達の通学の足にも事欠き、また買い物など、まさに日常の生活権に関する問題である。
この問題に関する事務局を即急に立ち上げて頂きたく、ただ烏合の衆でなく現実にどうすれば私達の生命線である日立電鉄線を存続する事が出来るか一歩進めて参りたいと存じます。
23日に株主総会があると聞いています。
ここでの決定で、運輸省に廃止届を出すということです。
株主の良識に期待するとことです。
ところで、樫村市長さんは、賛成反対どちらの票を投じるのでしょうか?
日曜日の市議会議員が主催するフォーラムにも期待しています。
井出先生も出席されるのですか?
太田一高の同窓会では、日立電鉄の存続を求める要望を提出したそうです。
そもそも、日立電鉄は常陸太田の篤志家が敷設したものです。
それを、日製が買い取ったものと聞いています。
太田のためには、生命線ともいえる、ちん電、存続を強く望みます。
茨城新聞に載った記事を添付します。
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日立電鉄線存続を 太田一高同窓会要望書を提出
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来年三月末での廃止を予定している日立電鉄線について、存続運動を展開している市民、高校生らを支援しようと、太田一高同窓会(関宗長会長)は十一日、電鉄本社、日立、常陸太田市に、存続を求める要望書を提出した。
要望書では、広域合併を控え、日立電鉄は、日立市と常陸太田市をつなぐ必要不可欠な交通機関であり、年間百七十七万人の利用者のためにも、存続に向けて努力してほしいと訴えている。関会長は「県、市、市民が一体となった存続運動を起こしていきたい」と話している。
すでに廃止やむなしの姿勢を見せている日立市の樫村千秋市長は「要望書をよく読ませて頂きたい」と答えるにとどまった。この日の市議会一般質問でも、吉成明政策審議室長は、電鉄は老朽化がひどくて事故の心配もあり、「市民の安全な足として、代替バスの検討が必要」と答弁した。
なんで住民に説明がないのでしょうか?
市長が電鉄の役員で、給料もらっているって噂です。本当ですか?