3月7日、県議会本会議で公明党の高崎すすむ県議が、当選後初の一般質問に立ち、県立病院改革や医療体制の整備などについて、県病院事業管理者に質疑を行いました。
高崎県議は、今年1月下旬から2月上旬にかけて行った県立医療、福祉施設の総点検(現地調査)の結果をもとに、危機的な経営状態にある県立病院の改革の成果を質し、中央病院におけるがん対策の強化、救急医療体制の整備、友部病院での精神科救急の実施などを県に求めました。
職員給与のカットで6億5500万円を削減
答弁に立った増子千勝病院局長は、病院改革一年目で医師を除く病院職員の給与の3~7%カット並びに調整額の廃止を断行し、6億5500万円の費用を削減したことを報告しました。
放射線治療器(リニアック)の増設を検討、緩和ケアチームを新たに創設
がん治療体制の充実について、増子局長は「県立中央病院の放射線治療の拡充は優先度が高く、経営改善に努めながらも、検討を進める」と答えました。また、緩和ケアはがん診療を進める上で大変重要であり、医師、看護士、臨床心理士等による緩和ケアチームを来年度(19年度)中に立ち上げることを表明しました。さらに救急診療の施設・環境整備については、早急に検討するとし、来年度新たに専門医師1名を配置すると答えました。
友部病院で24時間365日対応の精神科救急実現へ
友部病院の精神科救急への対応については、来年度から警察官通報による措置入院患者について、24時間365日受け入れる体制を整備することを正式に明らかにしました。
現場主義の調査や実現性ある提案が、厳しい財政下での具体的な施策の推進につながりました。
精神科医療の拠点に 県立友部病院 24時間365日態勢へ
産経新聞(茨城県版2006/3/8)
県立病院で唯一精神科を設置している県立友部病院(笠間市旭町)が、4月から精神科救急患者を24時間365日の態勢で受け入れることが7日、明らかになった。増員はせずに当直勤務の医師と看護師が対応する。将来的には民間病院や診療所では対応困難な重症患者を受け入れる後方支援病院を目指しており、県病院局経営管理課は「県内の精神科医療の拠点になれるように充実を図っていきたい」としている。
県議会一般質問で県立病院改革と診療体制の充実について質した高崎進氏(公明)に対し、増子千勝病院局長が「4月から警察官から連絡のあった自傷他害の恐れがある措置入院患者について、24時間365日受け入れる態勢を整備していく」と答弁した。
警察官は自傷他害の恐れがある精神障害者を保護する際、保健所などを通して県に通報する義務があるが、同病院は平日午後10時半まで、土日祝日は午前8時半から午後3時半までしか対応しておらず、深夜の場合は翌日まで待たなければならなかった。
増子局長は「重症患者を中心に24時間365日対応できる態勢を将来整えることを目指す」とも述べ、民間病院や診療所で対応困難な重症患者を受け入れる後方支援病院としての役割も果たせるよう今後も整備を進めていく方針を示した。
また、県立中央病院(同市鯉淵)については、増加傾向にある救急車搬送の患者に対応するため4月から救急医療の専門医師を確保する。
増子局長は答弁の中で同病院で平成12年度に1269件だった救急車搬送件数が17年度は2546件と倍増したことを示し、「救急の機能拡大は最優先で取り組むべき課題。4月には専門医師を確保できる見通しとなり、施設面の整備を含めて早急に検討を進める」と述べた。
さらに、県地域がんセンターを兼ねる同病院に19年度中にがん患者の痛みや不安を和らげる医師、看護師、臨床心理士を含めた「緩和ケアチーム」を立ち上げることを明らかにした。