10月2日、プロ野球セントラルリーグで読売ジャイアンツがリーグ優勝を成し遂げました。優勝へのマジックを「1」としていた巨人は東京ドームで行われたヤクルト戦に5―4でサヨナラ勝ちし、1試合を残しての自力優勝を決めました。1点を追う巨人は9回裏、2死満塁から、清水隆行外野手の内野安打と相手失策で逆転勝ちをしました。
ところが、この劇的な優勝を関東地方の地上波では、日本テレビははじめすべてのテレビ局が生中継していないという前代未聞の出来事が起こりました。当日の放映権を持つ日本テレビは、グループのBS日テレやCSでの中継で対応しましたが、巨人のリーグ優勝決定の場面を地上波で生中継しないのは、今までになかったことです。
日本テレビの地上波は、明石家さんまの「踊る踊る踊る!さんま御殿!!トーク秋場所!超豪華どすこいスペシャル」というバラエティー番組の放送。優勝が決まった瞬間は「巨人優勝」のテロップを流し、その後は、L字画面で優勝決定のプレーや胴上げシーンを放送しました。番組終了後には試合のハイライトや胴上げ場面、インタビューを約10分間流し、以降の番組は時間帯を繰り下げ放送しました。
巨人戦のテレビ視聴率は、1965年からのV9時代23%~16%と高視聴率を記録しました。その後、江川・原・中畑らの黄金期の1983年には、27.1%という最高記録を達成し毎年20%を超える時期が続きました。2000年に20%の大台を割ってからは、視聴率の低下に歯止めがかからず、2006年は9.6%に低迷しました。今年は、幾分回復したものの、9月まで9.8%となっています。
スター選手の大リーグへの移籍や娯楽の多様化などにより、ジャイアンツの軌跡の優勝も少しさびしい結果となりました。