「放課後の居場所つくりを目指す『放課後子どもプラン』は、子育て支援の柱であるのに、一番支援を必要とする養護学校の児童や保護者が支援を受けられない状況であります」との公明党の田村けい子県議会議員の訴えが、具体的に大きく前進しました。
田村県議は、今年(平成19年)9月13日行われた県議会一般質問で、養護学校の通う児童生徒のために、放課後の子どもの居場所を作るよう提案しました。これを受けて県教育委員会は、10月10日までにニーズを明らかにするためにアンケート調査を行う方針を固めました。
放課後の児童預かり 県教委、特例措置受け
盲・聾・養護ニーズ調査
茨城新聞(2007/10/11)
空き教室などを活用して放課後の子どもの居場所を確保する「放課後子どもプラン」を、盲・聾・養護の県立特別支援学校でも実施するニーズがあるかを把握するため、県教委は十日までに特別支援学校小学部の保護者を対象に初めてのアンケート調査を行う方針を決めた。プランは「すべての児童対象」を掲げて本年度始まったが、特別支援学校での実施は国、県教委ともに当初想定していなかった。県教委は「児童の大半が広域からスクールバスで通学しており、学校で放課後預かったり体験活動の場を提供したりするニーズがどの程度あるか、意向を踏まえて事業化を判断したい」(生涯学習課)としている。調査結果は十一月にも集計する。
来月集計し実施判断
プランは、厚生労働省が従来から展開する放課後児童クラブと、文部科学省が本年度新規に始めた放課後子ども教室の二本立て。「児童クラブ」は共働き家庭などのおおむね十歳未満の児童を対象にしているが、「子ども教室」は小学校区の全児童対象を特色として打ち出した。ところが、一部自治体の指摘を受け、文科省は実施直前の三月末、都道府県立の特別支援学校も対象に追加する特例を補助金交付要綱に盛り込み、四月になって都道府県に通知した。
県教委は三百の小学校区でプランの展開を目指し、市町村への補助金を本年度予算に計上。特別支援学校での実施は国の通知が届いた後も検討してこなかった。生涯学習課は「文科省の事前説明では、対象は小学校区、主体は市町村。特例の説明は一切なかった。実施を望む声やニーズも、つかんでいなかった」と釈明。九月の定例県議会一般質問で指摘を受け、調査の実施を決めた。
県教委によると、県立特別支援学校(二十校)の小学部児童は約千百人で、母子・父子家庭の割合は16・7%。関係者は「児童を放課後預かってほしいとの潜在的ニーズはある」と推測する。
調査は、親の就労支援を目的に子どもを預かる「児童クラブ」と、放課後を使って児童に体験活動の場を提供する「子ども教室」のどちらに保護者のニーズがあるか、時間帯や頻度、費用負担などについても調べる。
文科省によると、大阪、福島、和歌山、鳥取の四府県が本年度、計三十三の特別支援学校でプラン(子ども教室)の実施を予定している。
養護学校の児童を対象とする放課後子どもプランの実施
田村けい子県議会議員の一般質問の概要(2007/9/13)
次に養護学校の児童を対象とする放課後子どもプランの実施についてお伺いいたします。
先日、3人のお子さんを抱え、子育てに、仕事に、元気にがんばっていらっしゃる母子家庭のお母さんにお会いしました。3人のお子さんを一人で育てるだけでも大変なのに、お子さんのうち二人が重度の自閉症という、重い障害をもっています。このお母さんの切実な声は、「私は、子どもたちを育てるため、一生懸命働かなければならないんです。手に職をつけようと、介護福祉士の資格も取りました。児童扶養手当もどうなるかわからないという状況の中で、フルタイムでしっかり仕事をしたいんです。でも、養護学校に通っている子どものお迎えは3時。パートでしか働けないんです。夏休みの間はさらに大変。日中一時支援事業を使ってやりくりしていますが、利用に制限があり、安心して働ける状況にありません。養護学校で子どもを預かってもらえないでしょうか。」というお声でした。
放課後の居場所つくりを目指す「放課後子どもプラン」は、子育て支援の柱であるのに、一番支援を必要とする養護学校の児童や保護者が支援を受けられない状況であります。
一部NPOが養護学校の児童対象の障害児児童クラブに取り組んでいますが、常に待機待ちの状態といいます。
日立市においては、市の単独事業として夏季休業中にかぎって日立養護学校ですべての児童を対象とした居場所づくり(障害児児童クラブ事業)を実施し、利用者も急増しております。養護学校の児童・生徒に対しても、放課後の居場所を確保する総合的な放課後対策が求められており、他の地域でも早急な支援体制の確立が望まれます。
平成19年度の重点施策である「放課後子どもプラン」を推進し、養護学校の児童の安全で健やかな放課後の居場所づくりを実施するよう強く要望するところであります。
また、養護学校には小、中、高等部の生徒が在籍しています。
小学部の児童だけでなく、中、高等部の生徒も利用できる制度とし、障害児を持つご家族の方が、安心して働き、生活できる施策の実現を求めるものであります。
ついては養護学校の児童を対象とする放課後子どもプランの実施に向けた取り組みについて、教育長のご所見を伺います。