4月22日に水戸市内の千波湖で発生した白鳥2羽、黒鳥6羽の撲殺事件に関して、茨城県教育庁では、中学生2名の捜査が終了し、処分が決定したことを公表しました。
それによると、今回事件を起こした中学生のうち、15歳の中学校3年生は鳥獣保護法8条違反の容疑で、検察庁へ書類送致。13歳で中学校2年生は補導の上、中央児童相談所へ送致されることになりました。
2人は4月28日午前1時から2時半にかけ、千波湖の湖上や湖畔で、ハクチョウ2羽とコクチョウ6羽の頭や首を木の棒で殴って殺しました。「羽を広げて向かってくる鳥をたたくのが面白くてやった」と話しているといわれています。
千波公園を管理する水戸市が被害届を提出し、水戸署が慎重に捜査を進めていました。市民から中学生の目撃情報が寄せられ、2人に事情を聴くと、犯行を求めました。
そもそも犯行が行われた深夜の中学生の外出にたいして、その家族がどのような態度を取っていたのか気になるところです。この事件を扱ったブログ(水戸市の千波湖で白鳥や黒鳥に危害:2008/4/29)に、「ブロイラーは殺して食べているのに、なぜ白鳥を殺すとこれほどまでに非難されるのか?ブロイラーと白鳥の命に差異はあるのか?このへんの疑問にきちんと答えられないと、いずれまた忘れた頃に同じ事が起こるでしょう。なぜ人を殺してはいけないのか?との問いにも正面から向き合わなければならない時代です」とのコメントが寄せられましたが、こうした考え方に、子育ての問題点があるように感じます。子どもたちの心の成長には、親の躾の姿勢が必要です。「ダメなものはダメ」という毅然たる態度が重要なのではないでしょうか。生き物を殺すことは絶対にダメ、夜外出するのも絶対にダメ、そこには理由を説明し、理解させる必要はないと思います。
(写真は今年2月に撮影した黒鳥の家族。実際の事件とは直接関係はありません)
千波湖ハクチョウ死 鳥獣保護法違反の疑い 2中学生を書類送致
茨城新聞(2008/05/15)
殴打「楽しかった」
水戸市の千波湖でハクチョウ計八羽の無残な死骸(しがい)が見つかった事件で、水戸署は十四日、ハクチョウを棒などで殴打して殺傷したとして、鳥獣保護法違反(鳥獣損傷)の疑いで同市、市立中学三年、男子生徒(15)を水戸地検に、同法違反の非行事実で同、市立中学二年、男子生徒(13)を茨城中央児童相談所にそれぞれ書類送致した。二人は同じ学校の遊び仲間で、ハクチョウの殴打について「楽しかった」などと供述しているという。
調べでは、二人は先月二十八日午前一時ごろから同二時半ごろにかけて、水戸市千波町の千波湖北側湖畔で、ハクチョウの一種のコブハクチョウ二羽とコクチョウ六羽を付近に落ちていた桜の枝で殴り、殺傷した疑い。
千波湖畔では同事件に先立ち先月十七日にもコブハクチョウとコクチョウ計七羽の死骸が見つかっているが、二人はこれについても関与を認めているという。
二人は以前から深夜の千波湖周辺で遊ぶことが多く、事件当夜も自転車に二人乗りして現場に遊びにきていたという。 ハクチョウ殺傷の動機について、二人は「羽を広げて抵抗してくる鳥を殺すのが楽しくてやった」などと供述しているという。
水戸署は市民の情報提供などから二人を割り出し事情を聴いてきたが、二人の口から事件について反省の言葉は聞かれなかったという。
同署は当初、動物愛護法違反として調べていたが、同法の保護対象は飼育中の動物鳥類に限られ、今回犠牲になったハクチョウが水戸市で飼育されていた個体がどうか確認が取れなかったことから、鳥獣保護法の適用に変えた。
少年法は刑法上の責任能力のある十四歳以上で罪を犯した者を「犯罪少年」、十四歳未満で刑罰法令に触れる行為をした者を「触法少年」とし、触法少年の場合は児童相談所で児童福祉法上の措置がとられるが、同所が必要と判断した場合は家庭裁判所に送致される。犯罪少年の場合は禁固刑以上の罪を犯した場合は検察庁を経て家庭裁判所に送致される。児童相談所への書類送致は昨年十一月施行の改正少年法による措置で、県内では初めての適用。
■水戸市教育長 「命の大切さ」指導徹底
千波湖のハクチョウ惨殺が水戸市内の市立中学の男子生徒二人の犯行と分かり、同市教育委員会の鯨岡武教育長は十四日緊急会見を開き、「非常に残念。教育の責任者として責任を痛切に感じている」と語った。この上で、教育委員会として市立小中学校計五十校に対し、児童生徒に命の大切さの指導を徹底するよう通知した。
鯨岡教育長の説明によると、問題の二人は同じ市立中学校に在籍し、約十人で構成するグループの遊び仲間。二人のうち一人は以前から授業を抜け出すなどのトラブルが目立ち「小学校時代から問題行動を重ねていた」と明らかにした。
二人に対する指導について、鯨岡教育長は「常時指導はしていたが、(二人に)受け入れる心が育っていなかった」と指摘。今後は問題のある生徒に対応するため、大学教授などの学識経験者らによる「指導チーム」をつくる意向を示した。
二人の通う中学校では去る十日に保護者会を開き、今回の問題について説明したという。少年らは現在通常通り登校している。同校では事件による他の生徒の心のケアにも配慮する、としている。
中学生二人の送致について、加藤浩一水戸市長は「家庭での教育、学校教育を通して、命を大切にする心を育みながら、安心して暮らせるまちづくりに取り組まなければならないと痛感している」とのコメントを出した。
同じ目に合わせてやりたい、というのが本音です。どんなに恐かったか、卵を暖めていた親鳥は必死だったでしょう。馬鹿な人間に殺されてしまって凄くかわいそうです。こういう事は躾も勿論、あとは本人の感情なのでいくら教えてもわからないでしょう。中学生にもなれば尚更もう変わることはないと思います。この二人の将来が恐いです。ニュースにならない事件も多いと思いますが、日本の動物愛護法の罰は軽すぎます。もっと厳しく罰して下さい。