10月30日、政府・与党が発表した新たな経済対策(生活対策)には、年長フリーターなど25歳から39歳までの正規雇用に対する特別奨励金制度の創設が盛り込まれました。
正規雇用する事業主に奨励金を支給
制度は25歳から34歳までの、いわゆる年長フリーターとフリーターの定義から外れる35歳から39歳までを含めて正社員化を進めることが狙いです。この年齢層を対象に求人枠を設けて正規雇用する事業主などに対して、奨励金を支給することにしました。
奨励金は中小企業が一人当たり100万円で大企業が50万円。中小企業については、早期離職する割合が比較的高いことや経営の厳しさなどに配慮して、大企業よりも大幅に手厚い金額になっています。
支給期間は3年間で、中小企業であれば初年度に50万円、次年度と次々年度にそれぞれ25万円ずつ給付されます。
年長フリーターはむしろ高止まり傾向
フリーターの総数は4年連続で減少するなど全体で見ると改善傾向にありますが、これは新規学卒者の就職状況の改善などが要因と見られています。
年代別に見ると、バブル崩壊後の就職氷河期に正社員として就職できなかった25歳から34歳までの年長フリーターの数は、全国で92万人(2007年=図表「年代別フリーター等の推移」参照)と高止まりしています。
さらにフリーター状態のままで30代後半に進むケースが増えており、35歳以上の「不安定就労者」のうち、44歳までをみると逆に増加傾向にあります。
こうした背景から、今回は特に年長フリーターおよび30代後半までを対象とする正規雇用の支援策を強く打ち出したわけです。
公明党:若年者雇用対策で多くの成果
公明党はこれまで、若者の仕事探しを総合的にサポートする「ジョブカフェ」や、若者の自立や就労を支援する「地域若者サポートステーション」、短期間の〝お試し雇用″で正規雇用を見極める「トライアル雇用」など数多くの若年者雇用対策を推進し、成果を挙げてきました。
今年4月からは、年長フリーターなどの就職を後押しする「ジョブ・カード制度」も実施され、職業訓練期間中の生活費の給付について今回の生活対策でもさらに拡充されることになっています。