12月6日、県立中央病院(笠間市鯉淵、永井秀雄院長)で、「化学療法センター」と「人工透析センター」の竣工記念式典が開催されました。
「化学療法センター」は抗がん剤を用いてがんを治療する施設です。現在6床ある病床を新築により20床に拡充し、欧米などに比べて遅れているがんの化学療法の県内の拠点施設となります。また、放射線治療などを併用した「集学的治療」体制を強化し、がん治療の効果を向上させることにしています。
「人工透析センター」は、既存の11床を20床に増強。通常の透析患者受け入れを増やすほか、災害時に建物の下から救出された人が腎不全などを起こすクラッシュ症候群の対応も想定し、救急医療の充実も図ることにしています。民間病院でも患者のQOLを重視し、明るく清潔感ある病室が多くなっている中で、一人1台の液晶テレビを完備すなど今までのイメージを一新する病棟となりました。夜間の透析やより重度の患者に対応し、県立病院としての機能を果たします。
また、この「化学療法センター」と「人工透析センター」整備と合わせて、「放射線治療センター」の拡充も、来春4月を目指して進んでいます。現在1台の放射線治療装置「リニアック」をもう1台増設する計画です。現在、導入されているリニアックは、従来のX線やガンマ線治療機に比べて正常細胞への影響が少ない放射線強度変調治療装置(IMRT)と呼ばれる最新の機械であり、全国でも100台程度しか配備されていない高性能の機器です。しかし、実際の運用に当たっては、通常のリニアックとしての需要が大きく、また専門医が1名しか配置されていないなどマンパワーの不足から、IMRTとしての運用を行うことができない状態が続いています。こうした意味で、リニアック2台体制の整備は喫緊の課題でした。
こうした県立中央病院の拡充には、東海村のJCO臨界事故対策として国から交付された原子力等安全推進基金95億円のうち約44億円が財源に充てられています。
参考:茨城県立中央病院のホームページ