最近続いて大学での奨学金の相談を受けました。4月からの大学や大学院、専門学校などでの新たな生活を前に、学費や生活費などの負担に不安を抱える家庭が多くなっている実感がします。
そうした学生生活を支える強い味方が、日本学生支援機構が運営する奨学金です。支援機構の奨学金は、奨学金受給者の約75%が利用しています。また、奨学金総額でみると約85%を占めており、学生生活を支える上で重要な役割を果たしています。
先日、支援機構がまとめた2008年度学生生活調査の結果が公表されました。学生の厳しい生活状況が浮き彫りになるとともに、奨学金の重要性が明らかになりました。
調査結果をみると、大学の学部生(昼間部)の年間平均生活費は67万6300円で、ピーク時の2000年度と比べ27.8%も減少しています。さらに、授業料などの学費は約118万円で過去最高を記録。一方、前回調査と比べ、収入については奨学金が12.1%、アルバイト代が6.5%とそれぞれ増加しましたが、仕送りなどの「家庭からの給付」は3.1%減少しています。
奨学金の出願は学校を通じて行われます。各学校では入学式後に奨学金の内容や手続きに関する説明会が行われ、それから出願となります。奨学金希望者は、提出書類の漏れなどの不備がないように準備を進めるとともに、提出期限や提出先についても十分な確認を行うことが必要です。
奨学金の内容については、公明党の強い働きかけもあり、年々拡充を続け、より利用しやすい制度に改善されています。
当初、奨学金は一握りの英才を育成することを目的としてきました。学生支援機構の前身が“日本育英会”と称したのもこうした発想の表れでした。
しかし、1999年度に「きぼう21プラン」が導入され、希望者のほぼ全員への貸与が可能となりました。家庭の経済的状況に影響されず、安心して勉学に励むことができる体制が整った意義は大きいといえます。
10年度入学者用に用意された奨学金は第一種奨学金(無利息)と「きぼう21プラン」を拡充した第二種奨学金(利息付)、入学時特別増額貸与奨学金です。それぞれの奨学金の採用は条件があるが、家計や学校生活の状況、卒業後の返済などを考慮しながら賢明に選択し、利用していただきたいと思います。
教育費負担軽減は時代の要請
奨学金は意欲と能力のある学生の就学機会を確保し、家庭の経済状況によって教育格差を生じさせない重要な制度です。
公明党は今後も、給付型奨学金制度の創設や返済免除制度、無利子奨学金の拡充など、一人一人の状況に応じた、きめ細かな奨学金制度の改革に全力で取り組んでまいります。
参考:日本学生支援機構
格差社会の推進こそ日本のあるべき姿ではないか?人より頑張れば良い生活ができる。だから、貧乏人だって能力が劣っている人だって頑張れる。奨学金制度は賛成ですが、返さない人が多いのは大問題。借りたら返す。当たり前のことができない人は何らかの罰則をかすべき。