東日本大震災の被災者で、一定以上の被害を被った方は、7月1日より市町村や健康保険組合が発行する「免除証明書」を呈示すれば、保険料だけでなく、医療費の自己負担分も全額免除されます。(つまり、医療費が全額無料となります)
国民健康保険の加入者や後期高齢者医療保険の加入者は市町村の窓口で、会社員やその家族、公務員などは健康保険組合などの担当者に届け出でが必要となります。
これまで、津波などの被災地では、保険証それ自体を流失する方も多く、口頭の住所氏名を告げるだけで、医療費は免除されていました。反面、被災規模が東北三県などに比べて軽微な茨城県内では、制度の徹底が不十分で、家を無くした方も医療費の免除を受けていない事例も多々報告されています。
「免除証明書」が交付されれば、全国どこの医療機関でも無料で医療を受けられます。
医療機関は、患者からは自己負担分をもらわない代わりに、かかった医療費の全額を健康保険に請求することになります。ただし、震災の混乱の中で、こうした特別措置の内容を知らずに患者から自己負担金を徴収してしまっている医療機関も多く、そうした患者は、後日、お金を払い戻すこともできます。医療費の自己負担分の領収書を添えて、健康保険窓口に請求します。免除の対象期間は、来年2月29日までです。
ただし、無料になるのは、健康保険が適用されている治療や手術などです。個人の希望で個室などを利用したときの差額ベッド料、健康保険のきかない先進医療の技術料などは免除の対象にはなりません。
医療費免除の対象とる条件は、以下の6つです。その一つでも条件を満たす方は、医療費が免除されます。
- 住宅が全半壊、全半焼またはこれに準ずる被災をした状態(り災証明書で、その程度が全壊・大規模半壊・半壊の世帯)
- 主たる生計維持者が死亡、または重篤な傷病をおった状態
- 主たる生計維持者が行方不明の状態
- 主たる生計維持者が業務を廃止、または休止した人
- 主たる生計維持者が失業し、現在、収入がない人
- 福島原発被害による避難指示対象地域(第1原発から半径20㎞、第2原発から半径10㎞以内)で暮らす人
また、この免除制度の対象となる市町村は以下の通りです。
- 青森県…八戸市、三沢市、階上町、おいらせ町
- 岩手県…全市町村
- 宮城県…全市町村
- 福島県…全市町村
- 茨城県…水戸市、日立市、土浦市、石岡市、龍ケ崎市、下妻市、常総市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、笠間市、取手市、牛久市、つくば市、ひたちなか市、鹿嶋市、潮来市、常陸大宮市、那珂市、筑西市、稲敷市、かすみがうら市、桜川市、神栖市、行方市、鉾田市、つくばみらい市、小美玉市、古河市、結城市、茨城町、大洗町、城里町、東海村、大子町、美浦村、阿見町、河内町、利根町
- 栃木県…宇都宮市、小山市、真岡市、大田原市、矢板市、那須塩原市、さくら市、那須烏山市、足利市、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町、高根沢町、那須町、那珂川町
- 千葉県…千葉市、旭市、習志野市、我孫子市、浦安市、香取市、山武市、銚子市、市川市、船橋市、松戸市、成田市、佐倉市、東金市、八千代市、印西市、富里市、九十九里町、酒々井町、栄町、多古町、東庄町、横芝光町
- 新潟県…十日町市、上越市、津南町
- 長野県…栄村