2月14日、井手よしひろ県議らが所属する茨城県議会議会基本条例検討委員会主催の講演会が、東大名誉教授大森彌先生を迎えて開催されました。大森先生は、全国都道府議会議長会議会制度研究アドバイザーをつとめ、地方自治体の二元代表制について明確な持論をもたれています。
まず、大森先生は「圧倒的な権限がある首長とその首長が率いる議会の多数派が一体となった自治体、議会は独裁制に近い。その弊害が阿久根市で実態として現れた。最近の大阪のやり方も是認できない」と語り、日本の地方自治のシステムが時代の流れに即していないことを強調しました。
その上で、「地方議会の議員が何をすべきは全く法的根拠がない。議員の職務は、本会議と委員会に出席するだけと考えられてきた。それを、議会基本条例にどこもで書きこむかが肝になる」と指摘して、大森先生が策定に関わった三重県議会の議会基本条例の事例などを分かりやすく説明しました。
そして、「どんな素晴らしいを盛り込んだ議会基本条例案が出来ても、議会の中だけで決める基本条例はだめだ。パブリックコメントや市民の意見との交換なしでは、議会基本条例を制定する意味がない」と、今後の議論の方向性に注文を付けました。
講演の終了後、質疑応答が行われました。井手県議は、議会の招集権を議長が有せず首長だけが持っている問題、首長の専決処分の問題などを質問しました。大森先生は、「通年議会などの導入で招集権の問題はほぼ解決されたと理解している。専決処分の問題は上位法との兼ね合いもあり、法制度の改正を待つ必要がある」と応えました。
茨城県議会は、茨城県議会議会基本条例検討委員会での議論を中心に、今年12月議会に基本条例を制定する予定で検討を進めることになっています。