9月5日、県議会の新たな選挙区定数と区割りの見直しを検討している議長の諮問機関「県議会改革推進会議」が開かれ、定数を現行63から「3増4減」し、62とする座長案が賛成多数で可決されました。今議会中に議長宛の答申され、12月開催予定の第4回定例県議会に条例案が提出される予定です。
県議選の選挙定数と区割りが見直されるのは全部で、13選挙区。1票の最大格差の対象区である牛久市区と、人口が増加しているつくば市区の定数を各1増やしました。また、龍ケ崎市区は、現在取手市区に含まれる利根町を選挙区に加えた上で定数を1増します。
逆に、つくば市区との逆転現象が指摘されていた日立市区は定数を1減。取手市区は、利根町を除いて定数1減。さらに、議員1人当たりの人口が最も少ない潮来市区は行方市区と合区し、定数1減の1とします。さらに、鉾田市選挙区(鉾田市+大洗町)も東茨城郡南部(茨城町)と合区し、定数は1減の2とします。
このほか、1票の格差是正、1人区を減らすなどの目的で、定数はそのままで高萩市区と北茨城市区、坂東市区と猿島郡区(猿島町+五霞町)をそれぞれ合区します。
こうした見直しを行うことで、10通りあった人口と定数の逆転現象は解消します。最大2.90倍ある1票の格差は、議員1人当たりの人口が最も少ない常陸太田市・大子町区と鹿嶋市区との比較で1.93倍となり、2倍以内に収まります。また、選挙区数は36から32となり、死票が多いとされる1人区は現行の22から14に減少します。
今回の見直しは、合区を積極的に取り入れ、4年前の見直しで残された人口と定数の逆転現象と、2倍以上あった1票の格差の解消することが出来ました。
4年前は人口の少ない選挙区の定数削減について、最大会派いばらき自民内での反発が強く、定数と区割りの見直しは限定的で「1増3減」にとどまりました。公明党は改革が不足していると、強引な自民党の議論の進め方に反発し、検討会議を欠席しました。自民党の一部委員からも批判が噴出し、検討会議の委員が差し替えられた程でした。
そうした反省から、今回は有識者のほか、各業界団体、学生らの幅広い意見を聴いた上で、議論を重ねてきました。その結果、議員1人当たりの人口が全国で11番目に多いことから、全会派とも「大幅な定数減は前提としない」とする姿勢を確認。逆転現象と1票の格差の解消に重点を置いて議論が進められました。
さらに、公職選挙法が一部改正され、市と市との合区が可能となったために、議論に拍車が掛かりました。現行では、市域は全て単独の選挙区となっていますが、今回初めて行方市区と潮来市区、高萩市区と北茨城市区のような市区同士の合区が取り入れられました。
公明党は、「高萩市区を日立市区に含め定数5とすべき」「猿島郡選挙区は古河市と合区すべき」と主張しましたが、座長案も概ね妥当として賛成しました。
このほか、選挙区名称の変更も行いまし。これまでは郡市名で呼称していましたが、県民が理解しやすいよう選挙区内の全市町村名を表示することとにしました。
一方、県の財政状況が回復しつつあることなどから、2013年4月から月額10万円削減している議員報酬を5万円復元することも座長案に盛り込まれました。公明党は、議員定数、選挙区割りの議論と報酬の議論は切り離すべきと強く主張しました。