国の平成24年度予算は、混乱の末4月5日に成立しました。公明党は、この予算案に一貫して反対しました。
その反対の理由について、街頭演説などで訴えていますが、改めてこのブログでまとめておきたいと思います。
平成24年度予算が認められない第一の理由は、実質的に過去最高の歳出規模となっており、歳出削減の努力が皆無だからです。民主党政権になってから、3年続けて新規の国債発行額が税収を上回る異常事態に陥っています。
第二の理由は、景気対策の成長戦略が欠如していることです。欧州の債務不安がくすぶり、円高と東日本大震災の影響で国内産業の空洞化も進行しています。今こそ、力強い景気対策・円高対策・デフレ対策の成長戦略が求められているにもかかわらず、無為無策の民主党政権の下で、デフレ克服も円高克服も期待できず、日本経済の閉塞感は強まる一方です。
民主党は21年の衆院選で掲げたマニュフェストで、予算の全面組み替えやムダ遣いの根絶などにより、25年には16・8兆円もの「新しい財源を生み出す」と豪語していました。しかし、実際には十分な財源が確保できず、マニュフェストに掲げた政策を次々に断念しました。
今般の法改正により、民主党の目玉政策だった子ども手当は廃止され、高速道路の無料化は予算計上を断念。あれだけ大騒ぎした八ッ場ダムの建設中止も撤回するなど、民主党のマニュフェストが完全に崩壊したことは明白です。民主党は、やみくもに国家財政を肥大化させた責任を重く受け止めるべきです。
消費増税ありきの議論は認められない
次に、消費税増税法案に対する公明党の考えを申し上げます。
政府は3月30日、消費税を10%まで引き上げる消費税法等の改正案を閣議決定しました。しかし、はじめから「増税ありき」で負担論が先行し、社会保障の全体像は未だに示されていないままなのです。さらに、景気への配慮が不明確な上、低所得者対策も不十分な内容になっています。
全体像について言えば、民主党が声高に主張してきた、最低保障年金創設などを柱とする年金制度の抜本改革がまったく具体化されていません。その上、後期高齢者医療制度の見直しについても、法案として国会に提出されていない状態です。
景気への配慮については、民主党政権は発足当初から成長戦略が不明確なままです。今回も、増税実施前に政府が「経済状況の好転」を判断するとしていますが、その判断基準もあいまいです。
さらには、低所得者対策についても、低所得者向けに「簡素な給付措置」を実施するとしていますが、具体的な導入の時期や施策の内容、財源などは一切、示されていません。
これまでも公明党は、消費税率を引き上げる際、満たさなくてはならない 5つの条件を示してきました。一つ目は、社会保障の全体像を示すこと。二つ目は、景気回復。三つ目は、行政改革。四つ目は、使途を社会保障に限定すること。最後五つ目は、税制全体の一体的改革です。
公明党は、国民の目線に立った議論を堂々と展開し、国民の皆様のご期待に必ずお応えしてまいります。今後とも公明党へのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。