4月8日、県立多賀高校の入学式が行われました。満開のさくらに祝福されて280人の新入生が、多賀高校の門をくぐりました。
井手よしひろ県議は、時代の大きな変化の中、逆境に負けずに前に進んでほしいと激励の挨拶をさせていただきました。以下のその内容をご報告します。
平成26年度、県立多賀高等学校入学式、誠におめでとうございます。
ただ今、ご紹介を戴きました県議会議員の井手よしひろです。
厳しい試練を乗り越え、晴れの栄冠を勝ち取られた280人の新入生のみな様、ご入学おめでとうございます。
今、日本は大きな変化に直面しています。すでに、日本の人口は減少期に入り、国の調査機関の推計では、2010年1億2800万人であった総人口が、27年後の2040年には、1億700万人に16%も減少するとされています。少子高齢化、人口減少社会とは、今までの日本人は誰ひとり体験したことのない、大きな変化です。
20世最大の歴史学者と評されるアーノルド・トインビー博士は、「文明が興(おこ)る条件は人種でも、恵まれた環境でもない。状況の激しい変化や戦争など、大きな危機に直面し、困難に立ち向かう中で興隆する」と結論しました。また「外からの挑戦に、敢然と応戦できれば文明は興隆し、できなければ衰退する」と断言しました。
進化論で有名なチャールズ・ダーウィンは、「地球で生き残るのは、最も強い者ではなく、そして最も賢い者でもない。唯一生き残るのは『環境の変化に対応できる者』である」と、その著書「種の起源」の中で喝破しています。
こうした大きな変化の中で、たくましく生き抜くことが必要です。言葉を換えれば、今まで誰もが経験したことにない、新たな日本創造の第一世代が、今日、多賀高校の門をくぐった皆さまであると言っても過言ではありません。
もう、30年以上前になりますが、私が高校に入学したとき、一番尊敬する先輩から、一つの言葉をいただきました。
それは、「浅きを去って、深きにつくは、丈夫の心なり」とのことばです。
少し難しい、古めかしい言葉でしたが、「簡単で楽なことより、大変で苦労も多いことを選ぶことが、丈夫、強い人、勝利者の大事な条件だ」というような意味だと理解しています。
勉強に飽きて、もう寝てしまおうかなと思ったときに、その気持ちのままに寝てしまうのが、「浅きにつく」生き方。あと十分、あと五分と頑張るのが、「深きにつく」生き方であると思います。
悪いことをしている友人をそのまま見逃すのが、「浅きにつく」生き方。勇気を持って注意をするのが、「深きにつく」生き方です。
「浅きを去って、深きにつくは、丈夫の心なり」、この大事な高校時代の3年間を、見事に勝ち抜いていって頂きたいと思います。
今日、新入生の皆さまを満開の桜の花が迎えました。「さくら」の花の語源は、様々あります。その一つに、「咲く」という動詞に、複数を示す接尾語「ら」が付いたものという解釈があります。つまり「咲く者たち」という意味です。綺麗な桜の花も、一輪一輪では、桜の美しさを表現できません。群れて咲くのが桜の美しさなのです。
ここ多賀高校に集った皆さまが、一人ひとりが輝くと共に、この学舎で、桜の花が集まって本当の美しさを表現するように、鮮やかに花を咲かせていただくことを期待いたします。そして、日本の新しい歴史を築く先駆者と成長されることを祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
本日は本当におめでとうございました。