1月11日、「鬼怒川緊急対策プロジェクト」の着手式が、常総市新石下の地域交流センター(豊田城)で開かれました。
鬼怒川緊急プロジェクトは、栃木県境から守谷市の鬼怒川下流域44.3キロ区間が対象。堤防の拡幅、かさ上げなどハード対策と、広域避難の仕組みづくりなどソフト対策を一体的に行います。事業費は580億円で、2020年度の完了を目指しています。
着手式には石井啓一国土交通相、橋本昌知事、本県選出の国会議員、7市町の首長ら関係者約300人が出席しました。堤防に見立てた築山を固める「胴突き式」を行い、事業の着実な遂行を誓い合いました。
式典で、石井国交相は国、県、流域市町が連携する今回の事業について、全国的な先進モデルになると説明。「ハード対策が完了すれば昨年と同規模の洪水が起きても安全に水を流せる。ソフト対策の一つ、タイムライン(事前防災行動計画)も今年の出水期までに策定し、訓練を行う」と述べました。
橋本知事は「堤防の拡幅には用地買収が伴い、地元の協力が不可欠。事業が予定通り進むように、県としても協力する」と決意を示しました。
高杉徹常総市長は「市民の安全確保のために、一日も早い事業の完了を願っている」と語りました。
常総市三坂町の堤防は昨年9月の水害で200メートルにわたって決壊、現在はその後に造られた仮堤防のままになっています。国交省によると、本堤防の建設費は18億円。工事は土・日曜日も含めて1日12時間態勢で実施し、6月までに完了される計画です。
一方、無堤地区である常総市若宮戸の堤防整備について、石井国交相は、「関係者との調整を早急に進め、用地買収のめどが付き次第、着手したい」と述べました。