9月23日は県北芸術祭とのコラボも
日立市鹿島町の「ひたちぎんざもーる商店会」は商店街の活性化策として、目の錯覚を利用し、段ボールに描かれた動物たちが、こちらをいつまでも見ているように感じる「トリックアート動物園」を企画しています。ぎんざもーる商店街では、日立銀座二十三夜尊の縁日を、1998年以降開かれる毎月23日に開いており、この縁日似合わせてライオンやキリン、マンドリルなど10体の動物たちが出現します。
商店街の鵜木賢剛は、「商店街のにぎわい創出と地域の皆さんの交流のばとして縁日を続けてきました。トリックアートで子どもさんや若者など市民を巻き込んだイベントとしてより充実させていきたい」と意気込んでいます。
トリックアートは、茨城大工学部メディア通信工学科の矢内浩文准教授(間情報学)が監修しました。動物のイラストを約400メートルの通りにある植え込みや木の上などに配置します。トリックアートの動物たちは、市民ボランティアでトールペインティング講師の前田潤子さんが描いた動物のイラストをインクジェット用紙に印刷。プラカードなどに使うプラスチックダンボールに貼り付けました。軽くて自由に曲げたり切ったりできるもので、動物の顔の部分を常識とは額にへこませることで、錯覚を生み出し、猛獣の前を通る人は、動物の手前から通り過ぎるまで見つめられている不思議な感覚を味わいます。
動物は、かみね動物園にいる動物を取り上げ、高さは130~150センチと小学生の目線を意識しています。現在はライオン、マントヒヒ、キリンが完成。今月23日の縁日までにゾウやチンパンジーなど10体を用意する予定です。
また異なる二つの画像を一方は輪郭をはっきりと、もう一方はぼかして、二つ重ね合わせた画像「ハイブリットイメージ」のパネルを街路灯に掲示する予定です。トリックアートと同様に視覚的錯覚を利用し、近くで見るとキリンだが離れて見るとライオンに見えるなど、不思議な画像が表れることになります。
時を同じくして9月17日からは、茨城県北芸術祭が開催されます。世界でもトップクラス現代アートの作家たちが集まる日立駅や日立シビックさんターからも、徒歩で10分程度の距離。9月23日は、手作りのトリックアートや縁日のイベントを存分に楽しんでいただきたいと思います。