2017年10月から支給、公明主張で前倒し実施
11月16日、公明党の推進で改正年金機能強化法(無年金者救済法)が成立。無年金者対策として、公的年金の受給資格を得るのに必要な加入期間(受給資格期間)が、来年(2017年)8月以降、25年から10年に短縮され、10月から新たな受給対象者に年金が支給されることになりました。
施行後は新たに約64万人が年金を受け取れるようになり、将来にわたって無年金となる人が大幅に減ることが見込まれます。保険料の“払い損”になる人が減るため、保険料を払う意欲の向上につながることも期待できます。
国民年金加入10年で月約1万6000円支給
公的年金は支給すべき理由が生じた翌月分から給付が始まります。新たな対象者には、まず来年9月分が10月に支給され、以降は偶数月に2カ月分が一括支給されます。年金額は主に保険料を納めた期間に応じて決まります。国民年金の場合、現在は保険料を40年間納めると年金は月額で約6万5000円ですが、10年間では4分の1の約1万6200円となります。
年金を受け取るには、対象者が自身で請求手続きを行う必要があります。新たな対象者に対しては、日本年金機構が来年2月下旬ごろから同7月上旬にかけて順次、請求手続きの書類を郵送する予定です。
受給資格期間の短縮は、公明党の主張で社会保障と税の一体改革に盛り込まれ、消費税率10%への引き上げと同時に実施することが法律で決まっていました。来年4月に予定されていた税率引き上げの2年半延期に伴い、実施延期が懸念されましたが、公明党は低所得の高齢者などへの支援は急務だと指摘。実施の前倒しを強く求めました。
この結果、政府は、施行日を前倒しする改正案を臨時国会に提出、衆参ともに全会一致で可決されました。
日本年金学会代表幹事を務める帝京大学の山口修教授は「無年金を余儀なくされている高齢者の中には、生活が一時期、苦しくて保険料を払いたくても払えず、免除手続きなどがあることすら知らなかった人がたくさんいる。今回の法改正により、こうした非常に困窮した人たちに、救いの手を差し伸べる意義は大きい」(2016年11月17日付公明新聞)と語っています。