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様々な胃の疾病の原因となるピロリ菌の検査と除菌

管理者 2017年5月23日

ピロリ菌が原因で様々な胃の疾病が
 胃がんの原因として知られる「ピロリ菌」。その検査や除菌などについて、日本ヘリコバクター学会の理事長を務める富山大学大学院消化器造血器腫瘍制御内科学の杉山敏郎教授のお話しからまとめました。

ピロリ菌は高齢者ほど感染率が高い
 ピロリ菌と呼ばれている「ヘリコバクター・ピロリ」は、胃・十二指腸潰瘍や慢性胃炎、胃ポリープや機能性ティスベアシアなど、消化管に関連する多くの病気の原因となります。
 中でも「胃がん」の原因菌として重要視されており、胃がん罹患者の約98%が感染しています。ピロリ菌に感染した人の全てが胃がんになるわけではありませんが、感染者の約8%は、75歳までに胃がんになると推定されています。
 (ピロリ菌の)感染率に影響する因子としては、特に上下水道などの「衛生環境」が挙げられます。
 感染経路は、主に家族や幼稚園などの施設内での「口口感染」。発展途上国などでは「糞口感染」、現在は激減した内視鏡を介しての「経内視鏡感染」などがあります。
 かつて、上下水道が整備されていなかった時代では、不衛生な水を摂取することで感染が広がっていたと考えられています。
 現在、国内の感染者の割合は、20代までは約1割ですが、30代以降で少しずつ高くなり、60台で約6割。70台で約7割。80歳では約8割と、高齢者ほど高くなっています。
 ピロリ菌は、唾液や吐しゃ物からも感染します。従つて、現在の若い世代の人たちは、感染している父母や祖父母などを介して感染しているのではないかと考えられます。ただし、感するのは、免疫力の低い12歳ごろまでです。


ピロリ菌の年齢別感染率
ピロリ菌感染を放置すると萎縮性胃炎に進行
 ピロリ菌に感染すると、数週間から数力月後には、ほぼ100%「ピロリ菌感染胃炎」を起こします。大部分は症状が現れませんが、そのままにしておくと、胃潰瘍などを発症し、萎縮性胃炎に進行します。
 萎縮性胃炎が長期間に渡って続くと、胃がんを発症する危険性が高まります。従って、感染しているかどうか、検査をしておくことが大切です。
 現在、感染の有無を診断する検査は、1.迅速ウレアーゼ試験、2.鏡検法、3.培養法、4.抗体検査(血清・尿)、5.素呼気試験、6.便中抗原検査―の6種類が保険適用となっています。
 1~2の検査では、内視鏡で胃の粘膜組織を採取(生検)して感染の有無を調べますが、採取した場所によって結果が異なってくることがあります。
 4の抗体検査は、血液や尿の中にピロリ菌の抗体があるかどうか確認するもので、簡単に行うことができますが、基準値に幅があるので注意が必要です。
 最も正確な検査法として推奨されているのが、5の尿素呼気試験と6の便中抗原検査です。
 5の尿素呼気試験では尿素を含んだ試薬を飲んだ約20分後に呼気採取バッグに息を吹き込みます。
 ピロリ菌は、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解しますので、感染していると、特殊な二酸化炭素が多くなります。
 また、ピロリ菌の一部は便として排泄されますので、6の便中抗原検査で便の中にピロリ菌がいるかどうか調べます。
 1から3はいわゆる「点」の診断、4~6は「面」の診断といえるでしょう。
 除菌治療の失敗後には、ピロリ菌は胃の中に部分的に残存するため、特に除菌治療後では「面」の診断により除菌の成功、失敗を判定することが勧められます。

抗生物質と胃酸分泌抑制薬を併用
 感染が分かれば、除菌治療を行うことになります。
 ただし、12歳未満の場合、除菌しても再感染する可能性がありますので、15歳から30歳ぐらいの時期に
除菌をするのが良いでしょう。
 除菌には「アモキシシリン」と「クラリスロマイシン」という2種類の抗生物質と「プロトンポンプ阻害薬(胃酸分泌抑制薬)」を用います。胃酸の分泌を抑制することで、胃液中の抗生剤の抗菌活性が上昇することが分かっているからです。
 これらの薬剤を1日2回、7日間服用する1次除菌で、約85%が除菌できるとされています。1次除菌
後の検査でも陽性のことがあります。これは、「クラリスロマイシン」に耐性のあるピロリ菌が増加してい
ることも原因の一つだと思われます。
 「日本ヘリコバクター学会」の調査では、クラリスロマイシンに耐性のあるピロリ菌が、2002年に比
較して2倍以上になっていると報告されています。そこで、2次除菌では、クラリスロマイシンを「メトロニダゾール」に変更しますが、この1次除菌と2次除菌で、ほとんどの場合は除菌できます。
 ただし、海外では、メトロニダゾールが他の疾病で頻繁に使用されており、結果として耐性のあるピロリ菌が増えていることが分かっており、日本に住む外国人では除菌率が下がります。
 また、除菌に使用するアモキシシリンは、ペニシリン系抗生物質ですので、ペニシリンアレルギーのある人は使用できません。

定期的な内視鏡検査を行う
 早期胃がんの治療後、ピロリ菌の除菌を行うことで、胃の他の場所に新たながんが発生するリスクを3分の1程度にまで低下させられることが分かっていますので、治療後の除菌も検討してください。
 今後、多くの方が除菌を受けることで、将来的に感染率は大幅に低下すると考えられています。
 ピロリ菌の除菌に成功すれば、胃がんのリスクは低下します。ただし、感染の期間か長かった場合など、リスクが全くなくなるわけではありません。除菌後も、定期的な内視鏡検査を受けることが大切です。
(引用元:聖教新聞2017/5/28付け)

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
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