Skip to content
ひたみち日記

ひたみち日記

井手よしひろが茨城県日立市からローカルな情報を発信中

Primary Menu
  •  ホーム
  • ご挨拶
  • プロフィール
  • 投稿一覧
  • facebook
  • X.com
  • youtube
  • 地創研
  • ご感想・ご意見
動画配信
  • 防災

九州北部豪雨の教訓、流木による被害拡大を防ぐには

管理者 2017年7月22日

九州北部豪雨の流木被害<NHKのHPより>
 福岡、大分両県に甚大な被害をもたらした九州北部豪雨から2週間余り。多くの人が犠牲となり、行方不明者の捜索は今も続いています。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
 被災地では、公的支援を受けるために必要な「罹災証明書」の発行や仮設住宅の申し込みが始まっています。被災者の生活再建に向け、国や自治体は総力を挙げなくてはなりません。
 今回の災害の最大の要因は、長時間にわたり大量の雨が降り続いたことだ。福岡県朝倉市では24時間の降雨量が545.5ミリに達しました。平年の7月一カ月分の雨量の約1.5倍であり、これまでの記録を200ミリ以上も上回わっています。この豪雨の要因は、このブログ記事「九州北部豪雨をもたらした”線状降水帯”」(http://blog.hitachi-net.jp/archives/51662244.html)でも扱ったところです。

 一方、日本地すべり学会は7月16日、大分県日田市で記者会見し、九州北部を襲った豪雨で起きた土砂崩れの特徴について、現地調査の結果を発表しました。
 短時間で狭い範囲に300~500ミリを超える異常な大雨が集中した結果、森林の保水機能の限界を超え、斜面が崩壊したとしています。調査は14~15日に福岡県東峰村と大分県日田市、中津市で実施しました。
 学会によると、土砂崩れの多くは尾根直下の傾斜が急な場所で、地面の表層部分が崩壊して起きた。日本有数の林業地帯でスギなどの人工林の割合が高く、樹齢40~50年の「壮齢林」が多かったため、流木は長さ40メートル程度の長大なものが目立ったといいます。
 特に土砂崩れが大規模だった日田市小野地区の現場は、数千~数万年前に起きた過去の土砂崩れの影響で斜面上部の地形が緩やかで、堆積物が厚かったことが被害が大きくなった原因とみられると報告しました。
 学会は今後の対策として、2次災害の恐れがある場所には土石流センサーなどを設置し、流木をせき止めるための防災ダム建設や、山林の手入れなどが必要と指摘しました。落合会長は「さらに詳細な調査を検討中だ」と話しました。


何より必要なのは森林の保全
 追い打ちを掛けたのが、大規模な土砂崩れによって発生した大量の流木です。これが被害を拡大させた点に今回の災害の特徴があるとされます。
 これを今後の重要な教訓と受け止めなければなりません。日本の国土は約7割が中山間地域であり、河川上流部からの流木が深刻な被害につながる可能性は全国各地に共通します。
 過去に経験のないような豪雨が相次ぐ中、流木による被害の拡大をどう防ぐか。まずは危険箇所の把握から始め留必要があります。既に鳥取県は7月19日、県内全域を対象に流木被害が発生する恐れのある地点を洗い出す方針を打ち出しました。

九州北部豪雨の流木被害<NHKのHPより>
 具体的な対策としては橋の改修も一案です。橋脚に引っ掛かった流木が川をせき止め、氾濫の原因になるからです。実際、5年前の豪雨の際に流木が引っ掛かり、周辺に浸水被害をもたらした大分県の夕田橋は、3本あった橋脚を1本に減らす架け替え工事を行い、今回は氾濫を免れました。
 山から樹木が流れ出すのを防ぐ対策も重要です。河川の上流部で木や岩などをせき止める砂防堰堤(砂防ダム)の整備を進めなければなりません。
 何より忘れてはならないのは、早めの避難の重要性だろう。地域住民の間で、近くに崩れやすい斜面や古い橋などがないか、確認しておくことが大切です。自治体は「自主防災マップ」の作成など、住民の意識を高める取り組みを積極的に後押しすべきです。
 根本的には、山の整理を怠ってはなりません。地方の山間部では、高齢化や人手不足で間伐など森林の手入れが行き届かず、荒廃が以前から問題となっていました。今までは、暖化対策の側面から二酸化炭素(CO2)を削減、水源の維持などから森林の保全が主張されていました。
 今回の九州北部豪雨では、防災の観点からも森林保全の重要性がクローズアップされました。
 財源としての、全国民を対象とした森林環境税の創設などの議論を本格化させる必要があります。

参考:NHK:九州北部豪雨 “流木”の脅威と対策は(http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_0722.html)

印刷する 🖨
閲覧数 128

Continue Reading

Previous: 2017年7月21日(金) 晴れ
Next: 2017年7月22日(土) 晴れ

Related Stories

251201yazu
  • レスキューホテル
  • 防災

鳥取県八頭町とデベロップ社が防災協定締結

管理者 2025年12月2日
251201jx_image2
  • 地方創生
  • 防災

佐賀関の大火とJX金属の「10億円寄付」──100年を超えて紡がれてきた“恩返し”の物語

管理者 2025年12月1日
251120hinan
  • 国政情報
  • 防災

2026年春より防災気象情報が大幅見直し、警戒レベル4で避難を完了

管理者 2025年11月20日



井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
https://y-ide.com
master@y-ide.com

2025年12月
月 火 水 木 金 土 日
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
« 11月    

最近の投稿

  • 高市首相の「存立危機」発言が示した危うさと、政府答弁案が語る本来の姿勢
  • 栃木で紡がれた美と文化の交差点――喜多川歌麿の最高傑作「雪月花」の源流に触れる
  • 北海道・三陸沖「後発地震注意情報」が初めて発表
  • 沖縄上空での「ロックオン」事案。いま、日本の空で何が起きているのか?
  • 身を切るべきは「議席」ではなく「企業献金」だ──暴走する定数削減論への反論

アーカイブ

カテゴリー

  • いばらきパートナーシップ宣誓制度を実施しています
    2025年12月8日
  • 【CHALLENGE IBARAKI】#78 霞ヶ浦暁のしらうお!!
    2025年12月6日
  • TVアニメ『終末ツーリング』の舞台を紹介します(第8話霞ヶ浦・モビリティリゾートもてぎ編)
    2025年12月1日
  • TVアニメ『終末ツーリング』の舞台を紹介します(第7話つくば編)
    2025年12月1日
  • 知事定例記者会見(令和7年11月21日)
    2025年11月21日
  • “これでいいの?自維政権” 維新除名3氏、自民会派入り
  • 命守る避難体制早く築け
  • “青森地震” 被害の全容把握急ぐ
  • (東日本大震災14年9カ月)甲状腺検査の課題は
  • 小1の壁 柔軟な働き方推進
このホームページ(Blog)へのリンクは自由に行ってください。
文章の引用等も自由です。
ただし、リンクや引用等によって生じた不利益に対して、管理者はその責任を負いかねますので、ご容赦ください。
Copyright © All rights reserved. | MoreNews by AF themes.