1月11日、井手よしひろ県議は平成29年度の犬猫殺処分ゼロを目指す新規事業について、その進捗状況を担当課長より聴き取り調査すると共に、来年度の事業展開について意見交換しました。
茨城県の犬の処分数は1990年度の1万8611頭をピークに、減少傾向にありますが、2005~12年度まで連続で全国ワーストを記録しました。2013年度に全国最悪を脱却した後、2015年度までワースト2位が続いてきました。2016年度は前年度から52.2%の大幅減少となり、ワースト3位となりました。
一昨年12月に制定した「茨城県犬猫殺処分ゼロを目指す条例」のもとに、県では執行部と県議会が一体となり、殺処分ゼロに向けて全力を上げています。平成29年度当初予算案には、犬猫殺処分ゼロを目指すプロジェクト事業費として3420万円が計上されていました。県議会では、殺処分頭数をゼロに近づけるためには、動物指導センターに収容された犬猫を譲渡する際に、不妊去勢手術を施し、犬猫の譲り渡しをより一層進め、犬猫の命を1頭でも多く救うことが大事と判断しました。そのためには、県が不妊去勢手術を積極的に行う体制を整えると共に、不妊去勢手術の重要性を啓発することが重要であり、その予算として3000万円を増額修正しました。
執行部が提案した当初予算と共に、6420万円の予算が確保され、茨城県の本気度を内外に示す結果となりました。
平成29年12月末現在の新規事業の進展状況は、以下の通りです。
○犬猫殺処分ゼロを目指すことを周知し寄附金の協力を呼びかける資材の作成・配布ポスター、チラシ、ノベルティ(缶バッジ)の作成及び関係機関等への配布(6月~)
○動物愛護月間(9月)における集中的な広報の実施、県内外のタウン誌や新聞紙への広告掲載(5紙)、高速道SAへのチラシ設置(8、9月)
○パネルディスカッション形式のシンポジウムの開催(開催日:6月1日 開催場所:県立県民文化センター 参加者:370名)
- NPO法人しっぽのなかま
- 守谷市動物愛護協議会
- 細谷高等専修学校福祉ボランティア部
- ひたちなか動物愛護グループ
- いばらきのシッポの幸せの会
- NPO法人ポチたま会
- わん・にゃん映画部
- NPO法人どうぶつ福祉の会AWS
- 動物愛護を考える茨城県民ネットワーク
- 古河市地域猫の会・こがねこ
- 茨ニャンの会
- いばらきいきものねっと
- すべての犬の幸せを願って保護活動中☆わんラブ
- NPO法人茨城県水戸市動物愛護
- わん・にゃん倶楽部
○譲渡対象の犬猫の不妊去勢手術を民間動物病院で実施する際の助成を行いました。犬の不妊去勢手術の助成単価、メス:43,500円、オス:34,500円です。猫の不妊去勢手術の助成単価、メス:37,000円、オス:29,000円。助成実績は242頭(犬126頭、猫116頭)です。
こうした活動の結果、今年度の犬猫の殺処分は犬300頭前後、猫400頭前後、合計700頭前後になる見込みです。昨年度が犬612頭、猫1679頭、合計2291頭でしたので、犬が2分の1、猫は4分の1程度に大幅減となる見込みです。ご協力いただいているボランティア団体、NPOをはじめとする多くの善意の皆さまのご協力のお陰です。心から御礼申し上げます。
来年度予算編に向けては、今年度の予算ベースを継続する。不妊去勢手術の助成単価を下げて対象頭数の数を増やす。県動物指導センターの整備を計画的に行い、特に動物愛護機能の充実を図る。などの提案を行いました。