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つくばエクスプレス、県内延伸4案の議論集約へ

管理者 2022年4月22日

Tx3000系
 今年3月に策定された新たな県総合計画~「新しい茨城」への挑戦~では、将来計画の中で、●つくば経済圏と県央・県北地域の広域的な交流を促すためTXの県内延伸、●東京圏と県南・県西地域の交通ネットワークを強化するためTXの東京延伸や地下鉄8号線の県内延伸に向けた検討が、明文化されました。
 2005年8月24日に開業した「つくばエクスプレス」。茨城県つくば市から千葉県と埼玉県を経由し、東京・秋葉原へとつながる茨城県の大動脈です。新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年には、1日の平均利用者数が40万人近くに上っています。
 新県計画に謳われているように、茨城県内での延伸と東京駅方面への延伸との2つの計画があります。県は、今年度当初予算に、県内の延伸について調査・検討する事業費1800万円を初めて盛り込みました。


4つの延伸候補
 県が延伸先候補として示しているのは、①筑波山方面、②水戸方面、③茨城空港方面、④土浦方面の4つです。この4つの方面は、2050年ごろの茨城県の構想として示されています。
 県は、4つの方面それぞれについて需要の予測や必要となる事業費、それに収支の予測や延伸したことによる地域経済への効果を調査することにしています。調査は国の調査・研究機関に委託することを想定していて、調査の結果は有識者などによる第三者委員会を開いて検討します。そして、県民からも意見を募る「パブリックコメント」を行った上で、来年3月には、延伸する方面を1つに絞り込みたいとしています。
 2月27日、大井川和彦知事は「TX延伸を巡る環境というのは、調べれば調べるほど難しい事業であるということが私どもは分かってきております。しかし、その中で、TXの延伸ということは、TX沿線、つくばを中心とした県南の経済圏、あるいは社会生活圏、これと常磐線沿線、特に県央から県北に向けた生活圏や経済圏を結びつけるためには非常に重要なプロジェクトなのかなと思っております。非常に難しいことは承知ですが、しかし、この4つの延伸案が併存しているどっちつかずの状況ではさらに前に進めることは非常に難しいと思いますので、いろいろな議論があって、県内全部の意見が一致することが難しい話なのかもしれませんが、しっかりとその議論を前に進めるための調査を進めることによって、少しでも県としてまとまって、どういう形でTXを延伸させるかという議論をするための調査を、今、このタイミングで、もうすべき時かなと感じております」と、記者会見で語りました。

TXの乗車人員
 4つの路線案のうち、もっとも歴史が古いのは水戸方面への延伸案です。1978年に示された「第二常磐線」構想に遡ります。「第二常磐線」構想は常磐線の混雑緩和策として打ち出されたもので、水戸市から石岡市、つくば市を通って東京に向かうという案です。この構想から7年後の1985年。つくば市では国際科学技術博覧会が開かれ、地域は大きく活気づきました。この盛り上がりを地域のさらなる飛躍につなげようと、構想は「常磐新線」へと姿を変え、いまのつくばエクスプレスの開業につながりました。水戸方面に延伸すれば、県庁がある水戸市と結ぶことで県北振興につながることが期待できます。
 一方、地元の熱意により浮上したのが、茨城空港方面と、土浦方面です。茨城空港方面は、空港を利用する観光やビジネス目的の人の移動手段になりえます。土浦方面は、JR常磐線と直結することで利便性が飛躍的に向上します。
 筑波山方面は、つくば市が延伸について調査を独自に行った経緯があります。登山などに訪れる観光客を増やすための観光振興が図れます。
 延伸を実現するうえで最も大きな課題は、巨額になると見込まれる建設費用です。開業時の建設費用は、およそ8000億円でした。延伸する場合、法律で踏み切りを新たに設置することはできないため、トンネルを掘って地下を通すか、高架にする必要があります。地下を通すと工事費用が莫大になるため、現実的ではありません。一方、高架にする場合でも費用はかさみ、地主の許可を得ることも必要で、ハードルはかなり高いといえます。

現実的な土浦延伸、常磐線への乗り入れ
 そもそも、TXは線路と沿線土地開発を一体的に進めるという法律「宅鉄法」に則った、国家的プロジェクトとして進められました。こうした開発手法を、人口減少社会に突入した現在の茨城県が単独で展開できるとは思えません。資金の調達方法からして非常に難しいものがあるでしょう。
 その上で、あえて一つに絞るとすれば、土浦で常磐線に接続することがもっとも、現実的で効率的だと思います。
 4つを消去法で選んでみます。まず、筑波山方面が消去されます。現状、つくば市は東京駅延伸を働きかけており、県内延伸は望んでいません。筑波山方面への観光客誘致と延伸関わる負担とを天秤に掛けると、筑波山延伸には無理があります。
 次に、茨城空港方面を消したいと思います。茨城空港自体が、百里基地の民間共用という形態を取っている限り、発着便には限界があります。その限度額一杯の便数は、1日40便程度であると言われており、純然たる空港利用者は、航空機の平均利用率(ロードファクター)を60%と高めに見積もっても、1日3600人程度しかありません。これでは鉄道を誘致するには絶望的な数字です。むろん、茨城空港を自衛隊基地とは分離して規模を拡充し、文字通り首都圏第3空港に位置づけるような国家的な政策転換があれば、その前提としてTX延伸はあると思われます。
 そして、水戸方面への延伸計画です。地理的に言って、TXは常磐線とほぼ平行して走らせることになります。乗客数を確保する路線を計画することはほぼ不可能でしょう。50キロ強という距離感は、秋葉原~つくば間の58キロという総延長に匹敵します。採算性の面でも大きな問題があります。

 最後に残るのは土浦方面延伸ルートです。JR土浦駅で常磐線に直結し、土浦以北での常磐線への乗り入れを可能とすれば、つくばと土浦、つくばと水戸の連携強化が図れると期待されます。つくば駅と土浦駅とは約10キロです。現実的な選択です。

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
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master@y-ide.com

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