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【99.8%ショック⑥】経緯改革の名の下に、日立らしさをなくして良いのか?

管理者 2025年4月1日
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今日から4月、令和7年度のスタートです。
本来ならば希望あふれる新年度の出発であるべきですが、日立市は経営改革という名の厳しい変化のスタートです。
「99.8%ショック」と呼ばれる経常収支比率の悪化に触れるのは、これで6回目です。今年の春は、日立市にとって厳しい財政状況を脱却するための「経営改革」の幕開けでもあります。
日立市は現在、いわゆる「99.8%ショック」と呼ばれる財政危機に直面しています。経常収支比率が99.8%というこの数値は、簡単に言えば、市の通常収入(市税や地方交付税など)のほとんどが、毎年必ず支出される人件費や扶助費、光熱費といった経常経費に消えてしまっているという、極めて硬直した財政状態を示しています。家庭で言えば、「毎月の給料が全て生活費で消え、貯金もできなければ、急な出費にも備えられない」ような状態です。
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このような財政悪化の背景には、長期的な市税収入の伸び悩みや国の財政支援(臨時財政対策債)の縮小といった構造的な問題に加え、近年の急激な物価上昇や、政府による賃上げ要請などに伴う支出の増加が重なっています。さらに日立市は、保有する公共施設の数が多く、それらの維持管理費が市の財政を圧迫している実情も見逃せません。
こうした課題に対応すべく、日立市は従来の行政運営を抜本的に見直す「経営改革」へと踏み出す決断をしました。その第一歩として、令和7年度には「経営改革マスタープラン」の策定が予定されておりますが、それに先立ち、すでに三つの施策が「先行実施」としてこの4月から動き出しています。

中でも最も市民生活に影響が及ぶのが、公共施設の休館日および開館時間の見直しです。これは、施設運営の効率化を目的に、利用頻度の低い曜日に休館日を設けるなどの対応を取るもので、確かに即効性のある経費削減策と言えるでしょう。しかし一方で、これにより市民サービスの低下を招くことは否めません。特に高齢者や子育て世代をはじめとする、日々の生活の中で公共施設を活用している市民からは、すでに多くの不満や困惑の声が聞かれています。
具体的には、以下のような変更が行われました。

  • 「𠮷田正音楽記念館」は、原則無休から月曜休館に。
  • 「消費生活センター」は、土曜日が休館に。
  • 「保健センター(貸館)」は、土日祝日が休館に。
  • 「子どもセンター」は、月曜と祝日が休館に。
  • 「かみね動物園」は、春休み・夏休みを除く月曜が休園に。
  • 市内4館の図書館と視聴覚センターは、月1回の休館から週1回の定期休館に。

これらは、いずれも思い切った改革であることは間違いありません。稼働日数を減らすことで、光熱費や人件費といった固定経費の削減には一定の効果が見込めるでしょう。しかし、たとえば日立市の看板施設とも言える「かみね動物園」のように、利用者の多い施設において休園日を増やすことが、収益面にどのような影響を及ぼすのかは慎重な分析が求められます。経費を削減できたとしても、それによって収入も減少してしまっては、結果として本末転倒となりかねません。
市は、こうした休館・休園措置によって、どの程度のコスト削減効果が見込まれるのか、その見通しと根拠を具体的な数値として市民に示すべきです。市民の理解と協力を得るためには、丁寧な情報提供と十分な説明が不可欠です。拙速な変更は、かえって信頼を損なうことにもなりかねません。
新年度の始まりにあたって、私たちはただ単に「改革だから仕方がない」と受け入れるのではなく、今一度、「市民生活を守りながら持続可能な財政運営をどう実現するのか」という視点に立ち返り、市政のあり方を共に考えていく必要があります。
この「経営改革」が、単なる削減の羅列に終わらず、本当に市民にとってよりよい未来への布石となることを期待します。
参考:日立市のHP
https://www.city.hitachi.lg.jp/shisei/gyoseikaikaku/1015317.html

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
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