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人類の未来を見失わないために――ラッセル=アインシュタイン宣言の今日的意義

管理者 2025年11月2日
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「パグウォッシュ会議」世界大会が広島で開幕

世界各国の科学者らが核兵器廃絶に向けて議論する「パグウォッシュ会議」世界大会が、11月1日、広島市内で開幕しました。
第63回となる今回は、「被爆から80年 今こそ平和、対話と核軍縮を」をテーマに、5日までの期間中、被爆者や市民も交えた対話や講演、討論などが行われ、最終的に「広島宣言」の発表をめざしています。
広島・長崎の被爆から80年の節目となった今大会には、世界39カ国・地域から科学者や政府関係者ら約190人が参加し、核軍縮や中東の安全保障などについて意見を交わしています。
開会式では、パグウォッシュ会議のフセイン・シャハリスタニ会長が、「核兵器はいまだ存在し、間違った使い方をするリスクも増えている。議論を通じて軍縮の新しい道筋を見いだし、対話の新しい枠組みを築いていこう」と呼びかけました。
科学者たちが再び集い、人類の理性と対話の力で核のない未来を模索している――この動きこそ、今の世界に最も必要な希望の灯といえるでしょう。

1955年7月9日、冷戦の緊張が高まる中で発表された「ラッセル=アインシュタイン宣言」は、人類に向けてこう問いかけました。
「私たちが人類を滅亡させるのか、それとも戦争を放棄するのか」。
この短くも深い言葉は、70年を経た今もなお、私たちに突きつけられたままの課題です。

当時の科学者たちは、水素爆弾の開発と核実験の拡大によって、人類そのものが破滅に向かう危険を真剣に見つめていました。ラッセルやアインシュタイン、そして湯川秀樹らが訴えたのは、イデオロギーや国境を超えて、人類共通の生存を守るための理性と責任を取り戻すことでした。
「人類として語る」「戦争ではなく平和的手段で紛争を解決する」――この呼びかけは、科学者の声明という枠を超え、人間の良心への訴えでした。

そして今、私たちの時代もまた、危うい岐路に立たされています。
高市政権の誕生により、日本の政治は安全保障の名のもとに大きく舵を切りました。高市総理は、日本維新の会との連立合意の中で、原子力潜水艦の保有をも示唆しました。
さらに、アメリカのトランプ前大統領をノーベル平和賞に推薦する意向を示したことも話題となりました。しかし、そのトランプ氏自身は核実験の再開を命じるなど、核抑止力を現実の力として再び政治の舞台に引き戻そうとしています。
「抑止」という言葉の陰で、再び核の論理が世界を覆い始めているのです。

ラッセル=アインシュタイン宣言が強調したのは、「勝利」ではなく「生存」を選ぶという発想の転換です。戦争による勝利は、もはや存在しない。核兵器を使用する戦争は、敵を滅ぼす前に人類を滅ぼす。彼らはその現実を科学的知見に基づいて訴えました。
この警告をいまの私たちはどれだけ真剣に受け止めているでしょうか。SNS上での敵対的な言葉や、国際政治の緊張をあおる発言の中に、人類の理性はどこまで生きているのか。問いかけられているのは、為政者だけでなく、私たち一人ひとりの価値観です。

核の再利用や原子力潜水艦の配備が語られるとき、それは「安全保障」の言葉で覆われています。けれども、ラッセルたちが訴えたように、どの国の市民も「等しく危険にさらされている」ことを忘れてはなりません。核の脅威は敵味方を分けず、人間の尊厳そのものを破壊します。
科学がいかに進歩しても、人間の心がそれに追いつかなければ、技術は再び破滅を生み出します。いま必要なのは、恐怖ではなく「共に生きる知恵」を再構築することです。

ラッセル=アインシュタイン宣言の結びには、こう記されています。
「あなたが人間であること、それだけを心に留めて、他のことは忘れてください。」
この言葉の静かな響きこそ、現代における最大の希望なのだと思います。国家や政権の論理を超えて、私たちが「人類の一員」として考えること――それが、核の時代を生き延びる唯一の道なのです。

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
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