リコール投票を避け、出直し選へ出馬を表明
町長のリコールを問う住民投票の実施が決まっていた利根町の遠山務町長は、6月13日、町議会議長宛てに退職願を提出しました。
この結果、住民投票は行われず、出直し町長選が実施されることになります。退職願は7月3日付で、議長が町選管に5日以内に通知し、50日以内に出直し町長選が行われます。地元では、7月24日が投票日になるのではと噂されています。
利根町では、龍ヶ崎市との合併特例法期限内の合併を破綻させた責任があるとして、町民有志が4月にリコールを求める直接請求の署名活動を始めました。その結果が法定数に達し、住民投票が7月4日告示、7月24日投開票と決まっていました。
読売新聞(2005/6/14付け地方版)の取材によると、遠山町長は「これ以上の町政の混乱を避けたい。住民の信を問いたい」「(出直し町長選へ)出馬する。住民の冷静で良識ある判断を仰ぎたい。対立候補がどうなるかは関係ない」と語りました。さらに、辞職の理由を、「これ以上町政を混乱させたくないのが最大の理由。住民投票を実施すれば、1000万円程度かかる。出直し町長選も含めれば2度も多額の税金がかかる」と語りました。
遠山町長は、公式の場で龍ヶ崎市との合併を実質的に拒否した理由を説明していません。議会は、こうした町長の姿勢を問題視し、平成17年度の予算も成立しておらず、暫定予算での町政運営が続いています。本来であれば、町政混乱の責任を取り職を辞し、新たな人材に利根町の舵取を任せるべきとの声が多いのが事実です。「今回の遠山町長の辞職、再出馬は、対立候補が具体化する前に機先を制し、投票日を早めることによって自らの選挙運動を有利に進めようとする意図がある」と、利根町に住む知人が吐き捨てるように語っていたことが印象的でした。