7月2日、常陸太田市議会、常陸大宮市議会の解散の賛否を問う住民投票が行われました。市会議員数が市町村合併に伴う在任特例の適用で法定数を超えて膨れ上がったため、住民の間から早期解散を求める請求が出さ、住民投票に至りました。
住民投票結果 | 常陸太田市 | 常陸大宮市 |
当日有権者数 | 49,788 | 39,433 |
投票率 | 52.4% | 58.8% |
賛成 | 25,007 | 21,674 |
反対 | 977 | 1,299 |
賛成率 | 96.24% | 94.35% |
投票の結果、両市議会とも議会解散に賛成する票が、9割を超える圧倒的多数を占め、即日議会は解散されました。今後、40日以内にそれぞれ新定数26で出直し選挙が実施されることになりました。
2市議会が解散 住民投票で賛成多数
茨城新聞(2006/07/03付け一面)
合併後、在任特例を適用した常陸太田、常陸大宮両市議会の解散の賛否を問う住民投票が二日行われ、即日開票の結果、両市とも賛成が有効投票の過半数を占め、議会は即日解散した。両市の市議は失職し、四十日以内に新定数二六で出直し市議選が行われる。合併の在任特例をめぐり住民投票で議会が解散に追い込まれたのは、二月の城里町に次ぐケース。
■常陸太田 長い道のり「実った」
常陸太田市議会の解散の賛否を問う住民投票は、即日開票の結果、賛成二万五千七票、反対九百七十七票だった。市議二十二人が在任特例期間十カ月を残し失職した。当日有権者数は四万九千七百八十八人、投票率は52・44%だった。
同市は二〇〇四年十二月、金砂郷町、水府村、里美村を編入合併。議会は合併特例法の在任特例により、三町村議員四十六人が同市議二十二人の残任期間である〇七年四月まで在任する一方、議員報酬を同市議の水準(月額三十九万五千円)に統一した。
しかし、住民団体「市議会の早期解散を求める会」(田所道造代表)が「議員報酬の負担が大き過ぎる」として解散を直接請求。自主解散派議員が大量辞職し、署名簿提出時に六十六人いた議員が二十二人に減少。解散反対派の議員グループは「議員歳費は財政圧迫要因ではない」と在任特例に理解を求めていた。
同市金井町の同会事務所では、田所代表(73)ら幹部、支援者ら約二十人が開票状況を見守った。午後九時三十五分すぎ、大差で議会解散が決まると、全員で「万歳三唱」を繰り返した。
田所代表は「二万五千票達成はうれしい。長い運動だったが、この票数は良識ある民意のおかげ。投票してくれた市民に感謝する」と勝利の喜びを語った。
一方、失職した解散反対派の市議は「在任特例の必要性を訴えたが認められず残念だ。出直し市議選には出馬しない」と肩を落とした。
■常陸大宮 市民の良識「大勝利」
常陸大宮市議会の解散の是非を問う住民投票は開票の結果、賛成二万千六百七十四票、反対千二百九十九票だった。市議六十二人が在任特例期間一年三カ月を残し失職した。当日有権者数は三万九千四百三十三人、投票率は58・79%だった。
今回の住民投票は「市議会早期解散を求める会」(宇留野義昭代表)が署名活動を通し実現させた。開票場の西部総合公園体育館を訪れた宇留野さんは「大勝利だ。市民の良識を信じていた。当然の結果だ。何度も自主解散を申し入れたが、無視された。反対した議員はどういう動きをするのか、市民の厳しい目が注がれるだろう。(住民投票に)多額の経費が掛かっているので弁償してもらいたい気持ちだ」と話した。
同市は一昨年十月、大宮、山方、美和、緒川、御前山の五町村合併で誕生。合併時の議員七十五人(現在六十二人)は在任特例を適用し、編入した大宮の議員の任期(来年九月)まで務めることになっていた。
このため、解散を求める会は「合併の主目的は、行政の効率化を図り、税金の無駄遣いを無くすこと。適正規模の議会構成に」と、議会解散の直接請求に向け、有権者の過半数を超す署名を集めた。
これを受け、議会では「解散が民意であることが明らかになった。住民投票に多額の経費を掛ける必要はない」と自主解散決議が出されたが、賛成は少数だった。
多数派で構成する「市の未来を考える議員同志会」は「市は基礎づくりをする重大な時期にある」として、「在任特例中に旧町村の格差是正や一体化を図る条件整備などが合併議員に課せられた責務。解散させる理由はない」などと反論していた。
解散は歓迎
ただ周辺部の住民の声は、誰が市議会に届けてくれるのか心配だ
次の選挙では旧太田の議員か、政党の公認しか当選できないぞ