茨城県は、2007年4月から3年間、教職員や警察官も含むすべての一般職、約3万8000人を対象に、月給を一律5%カットする給与削減案を、県職員組合に提示しました。
この給与削減案は、10月26日に開かれた県と地公労(県地方公務員労働組合共闘会議)の団体交渉の席で提案されました。全職員を対象に2007年4月1日から10年3月末まで3年間、月給を一律5%削減します。併せて、ボーナスや時間外手当など諸手当にも5%カット後の月給額を算定基礎として反映させます。管理職手当も2割削減する、としています。
提案通り実施されれば平均的な43歳前後の係長級職員の場合、月給は約1万8500円ダウンし、年収は30万円強の減収となります。課長級は管理職手当も減額されるため、年間60万円の減収になります。
この給与減額により、3年間で約100億円の財源が捻出される見込みです。
茨城県の財政は、県税の増収傾向はあるものの地方交付税削減のあおりを大きく受け、財政危機が深刻化しています。緊急的に人件費の削減にも踏み込まない限り、自治体の倒産にあたる「財政再建団体」に転落しかねない状態です。
県財政は今後さまざまな工面を施しても、現状では向こう3年間で約670億円の財源不足が生じる見込みです。このため、各支出を一般財源に占める割合に応じて削減し不足分を埋め合わせるとすれば、人件費も年間約100億円の削減が避けられません。
こうした県の提案に、地公労は即日、提案の白紙撤回を求めました。その上で、「財政危機は不要不急の事業を漫然と行った結果。知事ら県幹部、県議会に責任がある。筋の通らない提案には断固反対」などとする抗議声明を発表しました。(茨城新聞2006/10/28付け記事より)
県では来春の3月定例会に条例提出をもめざし、地公労との交渉を進める予定です。県議会も条例が提出されれば、議員の報酬の5%以上の削減を自主的に決める方向です。