領収書、全支出に添付…自民党が事務所費で法改正原案
読売新聞(2007/8/2)
政治家の事務所費や光熱水費などの経常経費(人件費除く)について、透明性を高めるため、自民党が検討している政治資金規正法改正案の原案が8月1日、明らかになった。
1円以上のすべての支出に領収書添付を義務づけることと、適用対象をこれまでの資金管理団体だけでなく、政治家本人、親族や秘書が代表を務める政治団体など「政治家と関係の深い政治団体」に広げることが柱だ。
秋の臨時国会に、公明党と共に提出する。安倍内閣の発足後、赤城徳彦農相(1日に辞任)ら閣僚の事務所費問題が相次いで発覚したことを受け、政治資金の扱いを厳格化する必要があると判断した。
自民党は、同法を適用する「政治家と関係の深い政治団体」の定義について、〈1〉政治家本人、親族、秘書が代表を務める団体〈2〉政治家の後援団体〈3〉これら政治団体と同一場所に住所を持つ政治団体〈4〉その他政治家と関係が深いと思われる団体――と定義する方向で検討している。
ただ、対象団体を限定すると抜け道も残ることから、党内では政治家とはまるで関係のない団体も含め「政治団体として届け出ている団体はすべて対象にすべきだ」(中川幹事長)との意見も出ている。
与党の参院選挙敗退の大きな要因となった「政治と金」の問題で、政治家の後援会の経常経費に領収証を添付する方向での検討が始まったようです。
後援会の収支報告は、大きく事務所費などの経常経費と広宣物の印刷費などの政治活動費に分けられ、経常経費には明細や領収書の添付が義務づけられていませんでした。(政治団体の収支報告では、①人件費、②光熱水費、③備品・消耗品費、④事務所費、⑤組織活動費、⑥選挙関係費、⑦機関紙誌の発行その他の事業費、⑧調査研究費、⑨寄附・交付金、⑩その他の経費、の10項目に分けて報告するように定めています。その内、⑤~⑩の項目は5万以上の支出に対して明細の記入と領収証の添付が義務づけられています。しかし、①~④の項目は明細の記入や領収証添付が義務付きられていませんでした)
松岡前農水相の問題で、政府与党は経常経費についても5万円以上の支出に関しては明細と領収書の添付を義務づける政治資金規制法の改正案を成立させました。
しかし、赤城農水大臣の事務所費問題が惹起し、国民の厳しい批判を受けた自民党がようやくその重い腰を上げて、抜本的な改革に取り組むことになりました。
基本的には経常経費のすべてに明細と領収書の添付を義務づけます(人件費は除く)。政治活動費はこのままにするのか、対象となる政治団体の範囲をどうするのかが、今後の検討の課題となります。
政治資金の透明化を図る上では、全部の経費に明細の記載を義務づけること、全部の政治団体を対象とすること、が必要だと思います。
<参考>政治団体収支報告書記載要綱(PDFファイル)