民主党の小沢代表、辞職願提出「党内混乱の責任取る」
読売新聞(2007/11/4 17:15)
民主党の小沢代表は(11月)4日夕、党本部で緊急記者会見を行い、自民党との連立政権構想をめぐり、党内を混乱させた責任を取り、鳩山幹事長に辞職願を提出したことを明らかにした。
小沢氏は記者会見で、「民主党代表としてけじめをつける。党首会談で要請のあった連立政権の樹立をめぐり、政治的混乱が生じたことを受け、代表を辞することを決意し、辞職願を提出し、執行部に進退をゆだねた」と述べた。
さらに、党首会談で首相が「自衛隊の海外の活動は国連の活動に参加することに限る。連立ができるなら、新テロ特措法案成立にこだわらない」と約束したとしたうえで、「役員会で反対されたのは不信任を受けたのに等しいので、けじめをつける必要があると判断した」と語った。
民主党内では、「小沢氏が政府・与党との対決姿勢を転換し、与党との連立協議に動いたのはおかしい」との疑念の声が出るなど、動揺が広がっていた。他の野党からも、「自民、民主両党だけの党首会談は密室協議だ」といった批判の声が上がり、野党共闘に影響が出始めていた。
小沢氏は、2003年9月に自由党党首として民主党との合併に踏み切り、民主党に合流した。06年4月の民主党代表選では、菅直人氏を破って代表に就任。今年7月の参院選では、民主党を大勝に導き、参院で与党を過半数割れに追い込んだ。
国民不在の小沢氏の政治スタイルは理解できない

代表辞任の理由を、小沢氏は3点上げています。第1は、福田首相から提案を民主党が全否定したこと。第2は、このままの国会の状況では参院選での公約が実現できないこと。第3は、連立政権が民主党の政権への近道と判断したが、役員会では受け入れられなかったことです。そして、「役員会で反対されたのは不信任を受けたのに等しい」と決断したと説明しました。
自らの意見が受け入れられないと代表の座さえも投げ出す、まさに小沢流の覇道の政治スタイルです。小沢代表は、「国民のための政策実現」ということばを繰り返しますが、国民は政権奪取のための政治を望んではいません。大連立の大きな理由の一つである「自衛隊の海外派遣の恒久法」についても、どれだけ多くの国民が現状での最重要な課題と認識しているでしょうか。テロ対策法への議論は、じっくりと腰を据えて与野党が真摯に議論を尽くせば良い問題です。
繰り返します、小沢氏の政治スタイルは全く理解できません。国民・有権者不在の政治スタイルです。

民主党の小沢代表は、11月5日に辞任を表明しましたが、その後、民主党内からの説得を受け、7日に辞任を撤回しました。
「民主党・小沢代表辞任を撤回」(2007/11/7)