この国政の混乱は何だったのか、唯一残ったのは「民主党の政権担当能力はいま一歩」との小沢氏の言葉
民主党の小沢一郎代表は11月7日午後、民主党の両院議員懇談会に出席し、「この体にもう一度ムチ打ち、次期衆院選に政治生命を懸けて全力で戦い抜く決意した」と述べ、辞意を撤回して続投する意向を正式に表明しました。
その後の記者会見では、5日に辞任を表明したことについて、精神的肉体的に疲れ「気分がプッツンした」ためと説明しました。
大連立は政策実現のため、自衛隊派遣のための恒久法制定のための連立協議など、5日に辞任理由とされた内容にはほとんど触れず、国民に対してはこの数日間の騒動へのお詫びも説明にもなっていない内容でした。
大連立に関しては、「役員会でもそのことは考えに入れずに総選挙でがんばる、というのが今日の結論であり、みんなの総意でありますので、ただひたすら総選挙に向けて全力でがんばっていこうということであります」と語るに止まり、5日の記者会見との整合性は全く説明されませんでした。
自民党との連立を組むか、それとも、総選挙に勝って政権交代を実現するかは、政党にとって何よりも重要な基本戦略です。
「政権交代」を訴えて勝利した政党が、代表1人の思いつきで「大連立」に傾き、党幹部に説得されるとまた「政権交代」へと揺れる。こうした政党に政権担当能力があるのだろうか。
5日の記者会見で小沢氏が語った言葉で、唯一信ずるに足りる言葉があるとすれば、「民主党の政権担当能力はいま一歩」という言葉だけである。