3月9日、公明党の太田昭宏代表は山梨県本部の時局講演会で、景気・経済対策に全力を注ぎ、経済危機を乗り越えていく決意を表明した。ここでは、特に雇用を守るための公明党の主張についてご紹介します。
緊急保証制度と調整助成金で雇用を守る
昨年の夏以降、中小企業から悲鳴が上がっていた。銀行からの貸し渋りや貸し止めで、黒字であっても資金が続かない。すぐさま緊急保証制度をつくらせていただいた。
今月6日までに約34万社が使い、約7兆4000億円の融資が承諾された。「これ以上、仕事が続けられない」という企業に資金が供給されたということは、例えば1社当たりの従業員を10人とすると、340万人の雇用が確保されたということだ。
中小企業は(資金繰りができなければ)一日でつぶれる。一日の資金繰りが大事だ。私は9日の政府・与党連絡会議で、年度末を控えて大変な時だから、土・日も含めて対応していかなくてはならないと申し上げた。
企業が大変な経営状況の時に(従業員を)解雇しないで休業扱いにして、国が給料を助成する雇用調整助成金という制度があるが、適用が難しく十分、対応できていなかった。昨年10月ごろまでは、(1カ月の)対象者が1000人や2000人にすぎなかったが、条件を変えたり補助率を上げたら、11月に約8800人、12月に約13万8000人、1月には約88万人が受けることになった。2月は推計で約100万人という。3月も100万人規模になるかもしれない。そうすると1―3月で300万人くらいの雇用を守ることになる。ものすごい威力を発揮している。こういう仕事をしているのが公明党だ。
対象者数、2カ月で100倍、1月88万人 製造業集積地で急増
雇用調整助成金は、2008年度第1次補正予算や政府の「生活対策」「生活防衛のための緊急対策」で大幅な拡充策が盛り込まれ、昨年12月から実施。中小企業が賃金や休業手当の8割(従来は3分の2)を国から受給できるようにしたほか、支給要件を大幅に緩和。さらに、08年度第2次補正予算(1月27日成立)でも大幅に制度を拡充し、大企業への助成率を3分の2(従来は2分の1)に引き上げたほか、休業規模などの助成対象要件が緩和されました。
事業の縮小や休業を余儀なくされても、従業員を解雇せずに休業などで雇用調整を行う企業に対し、手当や賃金の一部を助成する「雇用調整助成金制度」の申請件数が急増しています。
厚生労働省の集計によると、2009年1月に全国の労働局が休業計画を受理した事業所数は1万2640件、対象者数は87万9614人に上りました。昨年11月と比べると、2カ月で事業所数は63倍、対象者数は99倍となっています。12月、1月の対象者数の合計は100万人を突破しました。雇用情勢が厳しさを増すなか、同制度が雇用維持に大きな役割を果たしていることが浮き彫りになりました。増加傾向は今後も続く見通しです。
雇用調整助成金の大幅拡充については、公明党の北側一雄幹事長が2007年11月26日、追加雇用対策を2次補正や来年度予算案に盛り込む必要性を強調。これを受けて、与党プロジェクトチームが提言をまとめて首相に要望し、制度拡充に至りました。
今後、公明党は、申請手続きの迅速化・簡素化など使い勝手が良くなるよう制度の改善を進めていきます。特に、1年間で200日となっている支給限度日数の引き上げを提案。また、利用者にとって使い勝手が悪いと指摘されている「休業計画」の届け出について、柔軟に対応するよう求めています。