茨城県では、平成21年度予算に「妊産婦マル福」の制度見直しを盛り込んだ予算を提案しています。
国の三位一体改革の影響などにより、県の財政状況が非常に厳しくなっており、新年度当初予算編成においては、400億円以上の財源不足が見込まれることから、様々な議業の見直しを行いました。
「妊産婦マル福制度」は、平成10年11月に制度創設以来、県内全44市町村において実施されています。現在、妊婦が母子手帳を交付されると病気やケガの内容にかかわらず医療費助成の対象となっています。しかし、平成21年7月から妊娠の継続と安全な出産のために治療が必要となる疾病に限定して、医療費助成を行うことを県は検討しています。
その背景としては、財政面の理由の他に、平成21年度から妊婦健診について最大14回まで公費助成する制度が導入され、妊産婦の疾病の早期発見が可能となることから、産婦人科等の医療機関と連携して早期治療と医学的な管理を行いやすい効率的な制度となるよう見直しを行うとしています。
この制度変更によって、これまで助成対象としていた歯科診療やケガなどは、妊産婦に特に助成する必要性に乏しいことから助成対象から原則的に除かれることとなります。また、慢性病への対応や急病時の対応など様々な課題があると考えられます。
妊婦検診の回数が拡充されることは子育て支援の充実に大きな前進ですが、反面、妊産婦マル福の制度変更は大きなマイナスです。公明党県議会議員会では、運用面を含めて、制度改正の見直しを強く求めてまいりたいと思います。
項 目 | 現 在 | 見直し(案) | |
実施主体 | 市町村 | 同左 | |
対象者 | 市町村内に住所を有する妊産婦 | 市町村内に住所を有し,対象疾患の診断をされた妊産婦 | |
受給期間 | 始期→妊娠届月の初日 終期→出産(流産を含む)のあった日の属する月の翌月の末日 | 始期→妊娠届月の初日以降で対象疾患の診断をされた日 終期→出産(流産を含む)のあった日の属する月の翌月の末日 | |
所得制限 | 旧児童手当特例給付準用(扶養0人で3,930千円※扶養1人につき300千円加算) | 同左 | |
給付内容 | 外来 | 医療保険各法に定める一部負担金からマル福外来自己負担(医療機関毎に1日600円月2回まで)を控除した額 | 対象疾患を妊産婦特有のものに限定して医療保険各法に定める一部負担金からマル福外来自己負担(医療機関毎に1日600円月2回まで)を控除した額 |
入院 | 医療保険各法に定める一部負担金からマル福入院自己負担(医療機関毎 に1日300円月3,000円まで)を控除した額 | 対象疾患を妊産婦特有のものに限定して医療保険各法に定める一部負担金からマル福入院自己負担(医療機関毎 に1日300円月3,000円まで)を控除した額 | |
給付方法 | 県内→現物給付 県外→償還払い | 県内→現物給付(一部償還払い) 県外→償還払い(新たに医師の証明書) | |
実施予定時期 | - | 平成21年7月予定 |