9月30日、東海第2発電所を運営する日本原電は、安全協定の拡大を求める周辺自治体の要求に対して、その回答について留保する旨を伝えました。
東海村にある東海第二原発などで異常が起きた場合、原電は施設への立ち入り調査などを認める「安全協定」を、現在、茨城県と東海村、隣接する4つの市(日立市、那珂市、ひたちなか市、大洗町)のあわせて6つの自治体と結んでいます。
しかし、福島第一原発事故で多くの住民が避難を強いられていることを受けて、水戸市や笠間市など県央地域の9つの市町村長で作る懇話会は、協定を結んでいない水戸市など6つの自治体(水戸市、常陸太田市、常陸大宮市、城里町、茨城町、鉾田市)についても協定を結ぶよう原電に求めています。UPZが30キロ圏内に設定されているわけですから、安全協定も30キロ県に拡大し、対象の市町村と締結するのが当然と考えられます。
日本原電の濱田康男社長は、水戸市役所を訪れ高橋市長と会談し、安全協定の拡大については、「茨城県などを交えた調整が必要だ」として回答を保留しました。
その上で「原電側から具体的な安全確保の取り決めの案を提示し、年内をめどに調整を進めたい」としています。
この回答書に対して、水戸市の高橋市長は「内容にほとんど前進がなく、納得できない」と述べ、引き続き原電に早期に回答するよう求めていく考えを示しました。
また、このあと濱田社長は、東海村を訪れて山田修村長に回答書を手渡しました。
会談を終えた山田村長は回答書の内容について「社長がわざわざ持ってくるにしては内容のない寂しい文章だった」と批判。その上で、「具体的な安全確保の取り決め案を提示し年内をめどに調整する」としたことについて、「具体的な案が出ればこちらも検討できるので少しでも前進すればという期待もあるが、できるだけ早く対案を示して欲しい」と、注文をつけました。
井手よしひろ県議は、30キロ圏内の市町村との安全協定は必要で、仮に再稼働させる場合には、県と圏内11自治体の首長、議会の同意が必要であると考えています。10月9日の県議会代表質問で、この安全協定の拡大問題を知事に直接問うことも検討しています。