3月7日、井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党議員会は、橋本昌知事に対して「大雪被害農家への支援拡充についての要望書」を提出しました。
2月に発生した2度の大雪、暴風雨により、農作物や農業用施設に大きな被害が発生しました。その被害額は、7日現在で11億円といわれていますが、詳細が判明するにつけ、大幅に増大する心懸念もあります。
中でも、農業用施設などは1500棟を超える損壊・倒壊の被害があり、また、倒壊した施設内の作物・家畜等が収穫や出荷が不能となっています。被災農業者は、施設の多くを失い収入も大きく減少することが見込まれる状況のなか、今後の経営の継続に大きな不安を抱えています。農業用施設の復旧・修繕が遅れれば、被災農業者の生活や農業生産のみならず、地域経済にも大きな影響を及ぼすことが懸念されています。
深刻な事態に対して、国は農業用ハウスの再建に10分の5の支援を行うことや倒壊した施設の解体・撤去費用を実質的に無くすことなど、厚い支援策を発表しています。さらに、埼玉県は、ハウス等の再建に、県と市町村が独自に2割ずつを追加で支援し、農家の負担を1割にする方針です。
こうした状況の下、茨城県においても、被災農家の支援につきまして、特段の措置を講ずるよう橋本知事に求めました。
具体的な要望項目は以下の3点です。
- 被災した農業用ハウス、畜産用施設等の撤去及び再建・修繕について、市町村と協力して、被災農業者の負担を軽減し、一日も早く経営を再開できるよう手厚い支援策を講ずること。
- 農業用資材の不足が懸念されることから、施設の復旧・修繕に支障を来すことがないよう、引き続き資材の円滑な供給について国を通して業界団体等に働きかけを行うこと。
- 被災した全ての畜産農家が経営を継続できるよう新たな助成制度を創設するなど支援策を講ずるよう国に働きかけること。
この要望に対して橋本知事は、「国に対しては詳細な現場の声を届けて、一層の支援拡大を働きかけていきたい。その上で県がやるべきことを市町村と連係して検討していきたい」と答えました。
倒壊ハウスの撤去費用負担ゼロに、公明党が推進
今月3日、農林水産省と環境省は、雪の重みで倒壊した農業用ハウスの撤去や運搬、処分という一連の作業にかかる農業者の負担をゼロにする支援策を発表しました。公明党が現地調査を踏まえ、推進してきたもので、被害に見舞われた農家から感謝の声が上がっています。
今回の支援策では、撤去や運搬、処分を市町村が実施する場合は環境省の「災害等廃棄物処理事業」で対応する一方、被災農業者が市町村より先に実施する必要がある場合は農水省が「被災農業者向け経営体育成支援事業」で支援していきます。
環境省の事業では、災害廃棄物の収集(撤去を含む)・運搬・処分を担う市町村の採択要件を緩和。積雪の深さが1メートル以上だった要件を、1メートル以下でも観測史上、例を見ない積雪で相当程度の被害が出た場合に適用できるようにしました。
一方、農水省の事業では、営農を再開する被災農業者を対象として復旧に掛かる経費を支援する制度ですが、農業用ハウスや棚の撤去などについては、農業者の負担がないよう国と地方自治体の補助で全額を助成します。
この二つの支援策により、被災農家は撤去費用などの負担をゼロにすることができ、営農再開に向けた生産施設の早期復旧を進めることができるようになりました。
公明党は、各地での緊急調査を踏まえ、衆参両院の予算委員会などで大雪被害に遭った農家の復旧支援を求め、今回の支援策を推進。このうち、環境省の支援策では浮島智子環境大臣政務官(公明党)が調整役を担いました。