ストーカーによる被害が拡大しています。昨年、警察が認知した事案の件数は2000年のストーカー規制法施行後、初めて2万件を超えました。被害者が警察に相談していながら殺害される事件も相次いでいます。
事態を重く見た公明党のストーカー規制法等改正検討プロジェクトチームは10月9日、対策を強化するストーカー規制法改正案をまとめました。
その柱の一つが、厳罰化です。現在、ストーカー行為の罰則は「6月以下の懲役か50万円以下の罰金」ですが、これを「1年以下の懲役か100万円以下の罰金」に引き上げます。公安委員会が加害者に対して「付きまとい」の中止などを命じる禁止命令に違反した場合の罰則も、「1年以下の懲役か100万円以下の罰金」から「2年以下の懲役か200万円以下の罰金」に強化。併せて被害者からの告訴がなくても検察による起訴を可能とします。
規制すべきストーカー行為の対象も広げました。これまでの「付きまとい」や「見張り」「押し掛け」に加え、被害者の住居や勤務先周辺を「みだりにうろつく」行為も対象としました。ネットを使用した禁止行為は現在、電子メールの連続送信に限られていますが、近年はLINEなどインターネット交流サイト(SNS)による被害が多発していることから、SNSでメッセージを大量に送り付ける連続送信も禁じました。
さらに、禁止命令の制度も見直し、警察からの「警告」を経なくても命令が出せるようにします。違反しても罰則がない「仮の命令」は廃止し、緊急命令制度の創設も定め、被害者を守るための迅速な対応を可能とします。
一方、再犯防止に向けた加害者対策として、受刑者の指導に関する調査研究の推進に加え、被害者支援の観点から、避難に対する国や地方自治体のサポートや、人材養成も盛り込みました。
公明党では、規制法改正案の今臨時国会への提出をめざしています。