6月17日、公明党の三代勝也日立市議が一般質問に登壇。空き家対策、難聴児対策、市営墓地の管理充実など質問しました。この動画は、空き家対策を質問している模様です。
1.日立市の空き家について
日立市の空き家対策については4年前にも質問をいたしました。本年5月26日に「空き家対策に関する特別措置法」が完全施行されたこともあって、再度質問をさせていただきます。空き家についての質問は、昨日の吉田議員の質問と重なる部分が多いと認識しておりますが、ご答弁のほどよろしくお願いいたします。
(1)空き家の実態把握とその対策について
市内を歩いてみると、人が住んでいる気配がなく、雑草や樹木が茂り、ごみが散乱して荒廃した状態で放置されている家屋が多くあります。ごみなどが放置され悪臭が発生していて、その状況を見てさらにごみが増えていく悪循環ともなりかねません。常陽地域研究センターの発表によると、平成25年時点における茨城県空き家の戸数は、184,700戸であります。そして日立市では17,010戸とされております。その内訳は、賃貸用等が12,460戸。売却用が270戸。その他4,290戸となっております。実際この数字が正しいものかどうかしっかりとした把握が必要であると考えます。そこでお伺いいたします。日立市内の空き家の実態をどのように把握されているのかお伺いいたします。また空き家と認識された物件についての対応はどのようにされているのかお聞かせください。
本年5月26日に完全実施となりました「空き家等対策に関する特別措置法」は、これからの空き家対策に大きな影響を及ぼすものであります。
まずは、特定空き家の要件が具体的にあげられました。
1.著しく保安上危険となる恐れのある状態、2.衛生上有害となる恐れのある状態、3.著しく景観を損なっている状態、4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態の4要件であります。
そして、外観や人の出入り等の使用状況から年間を通して使用されていないといった状況判定を踏まえて、行政が空き家と認定したものが「特定空き家」と呼ばれます。また、その所有者の特定については、不動産登記や住民票、戸籍謄本などに加え固定資産課税台帳を利用する事も可能となります。使われていない家屋について取り壊しが行われない大きな要因である、住宅用地としての固定資産税の特例措置についての改正もありました。行政から必要な改善措置をとることを勧告されたのちに状況が変わらない場合、更地と同じ固定資産税額を収めることになると言う事です。
このように、地方自治体は国で定めた空き家等に関する施策の基本方針に沿って空き家等対策計画を定め、その作成等及び実施に関する協議会を組織することが求められます。また、それに伴う立ち入り調査権も認められており、調査の権限も強化されました。このように法によって空き家に対する実態調査及び対応策が明らかになり、それに沿って検討していく。といった事も、法律でうたわれております。このように、行政として特定空き家として放置されている家屋について何らかの行動を起こしてゆくことが求められることとなりました。
空き家については、所有者の権利も考えなければならないのでありますが、やはり特定空き家の近隣に住まわれている方のことも考慮しなければいけないのではないでしょうか。隣に特定空き家があることで、例えば家屋がいつ倒れるのかとか、虫や鳥による被害や不審者による放火等の心配をなるべく早く払拭する事が大切だと考えます。また、常陽地域研究センターの数値では、今年の2月現在茨城県内の14市町村において、空き家等の適正管理に関する条例が制定されております。今後さらに増加すると見込まれており、深刻さを増してゆくこの問題について、仮称「日立市空き家等の適正管理に関する条例」を制定して対応をされてはどうかと考えますが、執行部のご見解をお伺いいたします。
(2)空き家の活用について
空き家の問題は、定住化促進策とも密接にかかわってくると考えます。先ほど申し上げましたが、日立市内の賃貸及び売却用の家屋は12,730戸と推計されます。街中においては、賃貸用のアパートが建設されており、ついこの前まで空地であった土地にいつの間にか人が住めるようになっている状況を多く見受けます。実際、平成21年から25年度までの新築住宅着工戸数は6738戸と県内で4番目であります。新築の賃貸アパートへの入居は多いように思えますが、全室への入居となると難しく、空き室もあるようです。日立市は残念ながら人口の社会減が止まっていない人口減少の地域であります。新築戸数が増えても人口流出が止まらなければ、空き家戸数は増えてゆく一方です。市内には数多くの戸建の売り物件が見られるようになりました。高度成長期に出来上がった団地が多いために、高齢化率も上がっており、駅や病院が近い平地へ生活の場所を移す方も少なからずおられます。周囲に商業施設がないなどの理由で、生活利便性が低いために空き家物件の売買が成立した例は少ないとのことです。そして残された空き家は、管理の手が行き届かなくなり特定空き家として認定されるといった悪循環となることを懸念いたします。通常の生活をすることに支障のない空き家についても、行政として出来うる何らかの有効な利活用策を講ずべきと考えますが、執行部のお考えをお伺いいたします。また、特定空き家及び未活用空き家を一括で管理をするために、空き家対策の専門部署を設けて対応していくべきと考えますが、執行部のご見解をお聞かせください。