日立市は、平成29年度から約10年間を見通して 「新エネルギービジョン」を策定し、再生可能エネルギーの促進に加え、新たに水素エネルギーの導入などに取り組むことになりました。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を踏まえ、多様なエネルギーを組み合わせ、環境に優しく、安心・安全なまちづくりを図るのが狙いです。
新エネルギービジョンの具体化に向け、日立市は本年度、新エネルギー推進協議会を設置し、具体的な取り組み内容や実施時期などの検討に着手することになります。
新エネルギービジョンは、南北約33キロの海岸線や風の状況が比較的良い山間部、20以上の河川が流れるなどの自然特性と、茨城港日立港区の東京ガス日立LNG(液化天然ガス)基地立地や全世帯中42%と比較的高い都市ガス普及率といった社会特性を踏まえて策定されています。太陽光や風力、中小水力、バイオマス、水素、ガスコージェネレーション(熱電併給)、蓄電池などを対象として、今後の基本的な方向性を示しました。
ひたちBRTに燃料電池バス導入を提案
井手よしひろ県議などの提案が実り、新ビジョンでは、水素エネルギーの導入と促進を新たに打ち出した点に特徴があります。水素は天然ガスから製造でき、LNG基地がある日立市は水素利用で優位性があります。LNG基地を活用した民間による水素ステーションの整備働き掛けや、公用車への燃料電池自動車(FVC)の導入検討、日立電鉄線跡地を利用したバス専用道を走るひたちBRTへの燃料電池バスの導入検討などが盛り込まれました。
都市ガス普及率の高さから、ガスから取り出した水素と酸素を化学反応させて発電し、その際に発生する熱で給湯する家庭用燃料電池(エネファーム)の普及をさらに図るため、昨年度始めた機器設置に対する補助(1世帯1基当たり5万円)を今後も継続する考えを打ち出しています。
参考:日立市新エネルギービジョン(http://www.city.hitachi.lg.jp/shimin/007/011/p058667_d/fil/1.pdf)
大規模太陽光発電に日立市がガイドライン策定
一方、大規模太陽光発電施設(メガソーラー)については、日立市のガイドライン等に基づき適正な導入を促すこととしています。メガソーラは周辺環境などに与える影響が大きいことから、関係法令及び「日立市太陽光発電施設の適正導入ガイドライン」に基づき、事業者による自主的で適正な発電設備の導入及び管理の取組を促すと定めました。