
10月3日、茨城県議会10月議会が開会。8月27日の知事選挙で初当選した大井川和彦新知事が所信表明を行いました。支援者からプレゼントされたという深紅のネクタイを締めて登壇した大井川新知事は、「これまでの事業を総点検し、スクラップ・アンド・ビルドを徹底して行う」と述べて、従来の政策を大幅に見直していく方針を示しました。
冒頭、大井川新知事は、「私が感じたのは、このままではダメだ、変わらなければならないという県民の皆さんの強い危機感であります。(中略)まさに今が正念場であり、極めて重要なターニングポイントを迎えている」と、茨城県が置かれている現状を語りました。
その上で、アメリカ合衆国第35代大統領のジョン・F・ケネディの言葉「国が国民のために何ができるかではなく、国民が国のために何ができるかを問うてほしい」を引用し、「今こそ、県民の皆さん一人ひとりが茨城のために、地域のために何ができるかを考え、そして、行動していただきたい。私はその先頭に立って、皆さんとともにもがき、苦しみ、道を切り開いていきたいと思っております」と県民に呼びかけました。
また、大井川知事は「県民が日本一幸せな県にすることを基本理念とし、未来に希望の持てる新しい茨城づくりに全身全霊で取り組む。県庁における仕事の進め方を見直し、むだを省き、ITやアイデアを積極的に生かす組織にしていく」と述べて、今後の県政運営に向けた意気込みを示しました。
さらに、「県民の皆さんと力を合わせながら、『活力があり、県民が日本一幸せな県』を基本理念とし、未来に希望の持てる新しい茨城づくりに全身全霊で取り組む所存であります」と強い決意を披瀝しました。
県政運営の基本方針としては、「現場を大切にする現場主義を徹底します。県民の皆さんに最も身近な基礎自治体である市町村との連携を重視してまいります。県や市町村という垣根なく、共に茨城の発展のためにまい進できるよう、取り組んでまいります」「県庁における仕事の進め方を見直します。無駄を省き、ITを積極的に活用することで、現場と向き合い、そこから出てくるアイディアを積極的に活かす、そうした組織にしてまいります」と、市町村との連携強化や現場を重視する考えを強調しました。
一方、今回の所信表明では、県知事選の公約に挙げた内容については、①新しい豊かさ、②新しい安心安全、③新しい「人財」育成、④新しい夢・希望の4つの新しい茨城づくりを進めていく姿勢を明らかにしましたが、県議会や国、庁内、市町村長、そして県民と慎重に議論を進め、「私の公約を実現・実行するための本格的な対応につきましては、平成30年度当初予算に向けて検討してまいります」と述べました。
所信表明の中で述べられた、特筆すべき内容は以下の通りです。
- 知事の多選禁止条例を一期四年の任期中に制定するとともに、開かれた県政づくりを進めてていく。
- これまでの経験を最大限に活かし、教育や医療・福祉、産業などあらゆる分野において、ITを活用し、国内にとどまらず、世界のモデルとなる、IT先進県を目指す。
- 特区制度の活用や医科大学の誘致などを含め、あらゆる選択肢を検討して、医師確保に努める。
- 東海第二発電所の再稼働問題については、県民の安心安全を最優先に考えて判断しなければならない。茨城県としてどのように対応していくのか、県民の意見を反映できる意思決定のプロセスをしっかり検討していく。
- 「新茨城リゾート構想」を策定したい。新たな観光資源の創造、例えば古民家を活用した若手芸術家の誘致や、農家民泊、里山リゾートなど、本県の新たな魅力づくりを進めていく。
- 新たなPR戦略を策定し、私自ら先頭に立ち、茨城ブランドのトップセールスを行うことによって、国内外に向けた情報発信力の強化及び本県のブランド力向上を図る。長年続いている魅力度最下位の脱却を目指す。
- 私の考えを明確にした新たな県政のビジョンの策定を、速やかに進めていく。(県総合計画の見直しを行う)
参考:大井川和彦知事の所信表明(全文):http://www.pref.ibaraki.jp/bugai/koho/hodo/chiji/hatsugen/hatsugen171003.html