千葉県四街道市では、千葉市への編入合併の賛否を問う住民投票が、5月16日に予定されています。こうした中、5月5日、田中康夫長野県知事が四街道市を訪れ、合併反対の演説を行いました。田中知事は、「合併して図体が大きくなると、行政サービスは悪くなる」などと持論を述べ、「千葉県には私に『ここに来るな』と電話をかけてきた女性知事がいる。私の言論の自由を奪おうとした」と、千葉県の堂本知事を批判しました。
これに対して、堂本暁子・千葉県知事は5月6日の定例会見で、「公人としてやるべきことではない」と田中知事に反論しました。読売新聞のヤフーニュース版では、堂本知事は「全国知事会長の梶原拓・岐阜県知事に『こういうことで千葉に来るのはおかしい』とは言ったが、田中知事にも長野県庁にも電話をしていない」と語り、「そういうところが彼のパフォーマンス」と批判、さらに「長野県で合併を進めないのは自由だが、公人としての知事がよその県に行って取るべき態度ではない。公人としての認識が薄いんじゃないんですか」と、怒りが収まらない様子だったと報道しています。
昨年秋の衆院選でも、田中知事は民主党の候補を応援するために、公務の間を縫って日本各地を遊説(?)しました。その費用の一部を公費から出していたことがわかり、返却する不祥事も起こしています。「公人としての自覚がない」との堂本知事の指摘は、正に的を射ています。公人としての自覚というよりも、大人としての常識が田中知事には通用しない、そんな気がします。
<参考>住民投票で合併反対過半数なら議案出さず--高橋四街道市長
四街道市の高橋操市長は、5月16日に行われる千葉市との合併の是非を問う住民投票で反対が過半数になれば、6月市議会に両市の合併のための議案を提出しない方針を明らかにしています。両市の合併協議会は既に協議を終了しており、残る手続きは合併協定書の調印と、両市議会での合併議案の議決のみ。その後、県議会の議決、総務相への届け出を経て、合併が成立する運びとなります。
平成16年2月市議選で、合併賛成派、反対派が12議席ずつを獲得し、議長も決められないなど市議会の空転が続いています。
高橋市長はもともと合併推進派で、事態の硬直を最終的には住民の投票によって打開する方針です。