10月にオープンした鉄道模型専門店「電車くん」(日立市留町3番地:大内裕司店主:連絡先0294-53-5999)に、日立電鉄で使われていた実車が保存されることになりました。
保存される車両は、3000系の23号車(MC3023)。東京の営団地下鉄銀座線に走っていた2000系の車体に、同じく日比谷線3000系の足回りをはかせた単独で運行できる両運転台の車両です。MC3023はオレンジとクリームのツートンカラーである旧電鉄色に塗られていました。
現在は、久慈浜駅の整備工場内で、「電車くん」へのお嫁入りを前に、入念なお化粧が行われているということです。
「電車くん」への搬入は、12月16日と17日の両日行われる予定です。
まず16日午前8:30頃より、旧久慈浜駅構内で、車両を100トンクレーンを使って大型トレーラーに積み込む作業を行います。
17日は、未明(午前5:00頃)より、大型トレーラーにより1.7キロを移動し、電車くんの敷地内の設置場所まで運ばれます。その後、8:30頃よりクレーンによって敷設された線路に設置されます。
なお、大型トレーラーやクレーンを使用した大規模な移送作業になりますので、当日の天候や交通状況などで日程が変更になる可能性もあります。このブログでも変更時はご案内いたしますが、詳しくは直接「電車くん」の大内店主までご照会ください。
日立電鉄の24両の車両の内、安住の地が決まったのはこの車両が初めてです。
(写真上:久慈浜駅に留置されているMC3025。今回、「電車くん」に保存されるMC3023と同色でペアを組んでいた車両、写真下:「電車くん」の駐車場奥に敷設されたMC3023用の線路、奥が蔵を改造した店舗)
日立電鉄の車両整備の都合で、「電車くん」への搬入が1週間遅れることになりました。日立電鉄旧久慈浜駅から「電車くん」への移送は、12月16日、17日の両日にわたって行われます。(2005/12/5更新)
参考:日立電鉄MC3023の詳細(日立電鉄ファンにリンク)
日立電鉄車両・1両模型店に売却
朝日新聞茨城版(2005/11/29)
3月末で廃線となった日立電鉄(日立市)の車両1両が、同市留町の鉄道模型店「電車くん」=大内裕司さん(50)経営=に売却されることになった。24両ある車両のうち、処分先が決まったのは初めて。来月に移転作業が行われる予定で、大内さんは「多くの人に日立電鉄の姿を見てほしい」と、年内に車両打部を一般公開するイベントを開くことを検討している。
日立電鉄によると、売却が決まったのは3000系車両(全長16m、重さ30.2トン)。オレンジ色とクリーム色のツートンカラーで、前後に運転席があるのが特徴。
車両の製造は1962年。以前は、車体が営団地下鉄(現・東京メトロ)銀座線、下の車台が日比谷線で使われていたが、日立電鉄が譲り受け、93年から今年3月まで、旧常北太田駅~旧鮎川駅間を運行していた。
日立電鉄は廃線後、車両の処分先を探し、大内さんを含め6件の申し込みがあった。しかし、100~200万円とされる運送費や将来の処分が難しいことなどから、引受先は決まらなかった。
大内さんは今年3月まで小学校教諭だった。大の鉄道ファンで小学校を退職し、10月に鉄道模型店をオープンした。「日立電鉄の歴史を後世に残したいし、店としてもお客さんに楽しんでほしい」と購入を決めた。店舗の前にレールを敷いて、受け入れの準備を進めている。
車両は、運搬のために車台と車体を切り離す必要があり、現在は分離作業中。作業する元日立電鉄運転士の渡辺功さん(63)も「廃線は寂しかったが、きれいに残されるのはこの上もない」とうれしそうだ。
移転は12月9、10両日に行われる予定。大内さんは、写真撮影会などの公開イベントを開く計画をしている。
問い合わせは、電車くん(0294-53-5999)へ。

軌道は無くなってしまったが、沿線住民の思い出という新軌道の上をチン電は永久に走り続け、親から子、子から孫へと語り続けられるでしょう。77年という年月は、地域の、そして日本の歴史の生き証人といっても過言ではないと思います。そのような車両を展示・公開してくれるとは、心より期待してます。また、設置しただけでは只の置物となってしまいます。いつまでもその雄姿を維持してもらうには、ファンの人・地域住民の方々などの理解と協力が不可欠と思います。車体清掃やメンテなどのボランティア募集などがあれば、積極的に参加してみたいと思います。また、人生の大先輩の方々から、チン電に関わるいろいろな思い出話なども、車両の中で聞ければいいと思います。
朝日の記事をみてきました。
この車両は部品が盗難にあったときいています。
完全な形で見られることを楽しみにしています。