12月に誕生日を迎える方から現況届の提出は必要なくなります。
一昨年、このブログ「年金受給者の『現況届』/06年度廃止に向け準備」(2004/5/4)で記載したとおり、今年10月から年金の『現況届』が廃止されることになりました。
社会保険庁は、住所変更などの情報を住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)経由で取得することを決定し、国民年金法、住民基本台帳法などの改正が通常国会に提出されました。
この結果、国民年金・厚生年金の加入者や受給者の住所変更届は、2011年度以降、原則として不要になります。
国民年金・厚生年金の加入者や受給者は現在、住所や名前が変わったら市町村か勤め先を通じて同庁に届け出る必要があります。社会保険庁は、年金業務を2008年10月から引き継ぐ「ねんきん事業機構」の記録管理システムを刷新した後、新システムと住基ネットをつなぎ、2011年4月以降段階的に住所・氏名の変更届を廃止することになります。これにより年間約700万件の届け出が不要になり、事務経費の削減も期待できます。ただ、住基ネットに接続していない一部自治体では、現行の変更届が残る見通しです。
また、これに先立ち今年10月から、年金受給者の生存確認のために年1回の提出を義務づけている「現況届」も段階的に廃止されます。住基ネット経由の死亡確認に切り替えられます。市町村に死亡届が出されれば、年金支給を自動的に止められるようにシステムが改善されます。
具体的には、今年(2006年)12月以降に誕生日が来る年金の受給者から、順次、現況届が郵送されなくなります。
「現況届」の印刷や郵送にかかる経費は年間29億円強。死亡確認ができなかったことによる年金の過払いは2002年度だけで約93億円に上りました。また、過払いに対する返還請求コストも小さくないのが現状です。「現況届」の廃止が実現することによって、これらの事務経費の大幅削減や、過払いの解消につながります。
公明党は一貫して現況届の改善に挑戦
公明党は年金の現況届の改善に、一貫して取り組んできました。
平成6年の秋 井手よしひろ県議は、一人暮らしのお年寄りから相談を受けました。その方は、腰を打って1ヶ月ほど寝たきりになっていました。そのため、年金の書類「現況届」を役場に届けることが出来ず、年金が一時的にもらえなくなってしまったとの相談でした。
そのお年寄りは「年金の書類のために、わざわざ役場に行かなくてはいけないのでしょうか。年金をもらっている人が、生きているか死んでいるのかを、一番よく知っているのは役場じゃないですか」と切々と訴えました。
平成8年6月 井手県議らの現場の声を受けて、公明党の草川昭三議員が「老齢基礎年金の受給にともなう現況届に関する質問趣意書」を政府に提出。
平成10年1月 現況届の市町村長の証明が廃止され、郵送されてきた現況届に名前と住所を自筆して、印鑑を押して郵便で送り返せば、現況届が完了するように改善されました。(市役所や役場に直接行く必要が無くなりました)
平成18年10月 住基ネットとの接続で、現況届の必要が無くなります。年間29億円もの経費削減や過払いのミスが減少します。