北朝鮮の朝鮮中央通信は10月9日午前、「われわれの科学研究部門は、地下核実験を安全に成功裏に実施した」と発表しました。韓国の聯合ニュースは、国防省当局者の話として、9日午前10時36分に、地下核実験は実施されたと報道。韓国地質資源研究院は、マグニチュード3.58から3.7規模の地震波を観測しました。
国連安保理の議長声明を完全に無視した形の核実験強行で、朝鮮半島情勢は重大局面を迎えています。
韓国はじめ周辺国による分析によると、地下核実験は北朝鮮北東部の咸鏡北道花台郡舞水端で行われ、プルトニウム型核爆弾とみられます。現在の所、放射能漏れはないと思われます。
韓国、米国、日本、中国など周辺国はただちに実態把握のため緊密な連絡体制をとるとともに国連安保理でこの問題を協議する方針です。国際社会の非難と制裁強化は確実な情勢です。
米国はこれまで、北朝鮮の核問題が悪化した場合、「追加的措置」「より強硬な措置」を取ることを明言しています。今後、国連安保理決議による経済制裁など一段と強い制裁に入る可能性が高く、こうした制裁を北朝鮮は「宣戦布告」と位置づけていることから、核実験を契機とした核危機が軍事的威嚇行為を伴う危険水域に入ることも懸念されます。
日本もより強い制裁を求める世論が高まることが予想されます。輸出入の停止など、断固たる経済制裁が必要かもしれません。北朝鮮への資金の流れを速やかに止める必要はあるでしょう。
国際社会の協力の上で、冷静な対応が望まれています。
気象庁と韓国地質資源研究院が公表した核実験が行われた場所
自由民主党・公明党
北朝鮮は本日(10月9日)、国際社会の強い懸念と非難を押し切って、核実験を実施したと発表した。仮にこれが事実とすれば、わが国、北東アジア、ひいては世界に対する重大な脅威であり、断じて許すことができない。
まだ核実験と確認できないが、北朝鮮の発表は国際平和に対する重大かつ深刻な挑戦であり、与党は強く抗議するものである。
10月3日の北朝鮮の核実験声明後、国連安保理はわずか3日という短時日で北朝鮮に警告する議長声明を全会一致で採択した。にもかかわらず核実験実施が発表されたことは看過できない。政府は、直ちに事実関係を確認するとともに、事実であると判明した場合には同盟国である米国をはじめ、中国、韓国などのアジア諸国、英・仏・独・露等欧州各国等、共通の脅威に直面する国際社会との連携のもと、国連安保理における国連憲章七章に基づく制裁決議の速やかな採択に向け、行動すべきである。
北朝鮮に対し、国連安保理は7月のミサイル発射でも全会一致で制裁決議を採択した。
しかし、北朝鮮は受け入れを全面拒否しただけでなく、ミサイル発射実験の継続を表明している。北朝鮮において核兵器とミサイル技術が結びつけば、国際社会は現実の重大な脅威に直面する。国際社会のルールや秩序を無視して平然とする態度を、これ以上放置することは許されない。
北朝鮮は、国際社会と協調し、平和に共存する道を選択すべきだ。六者協議に早期・無条件に復帰し、核、ミサイル、拉致などの問題解決に誠実に対応し、直ちにそれらの問題を解決しなければならない。北朝鮮が態度を改めない場合、国際社会は厳しい経済制裁等の強制措置もためらうべきではない。また、わが国は、北朝鮮に対する経済制裁措置をさらに強化すべきである。