民主の攻勢、クールビズにも ネクタイ義務化提案
朝日新聞(2007/8/9)
参院第一党の民主党の攻勢は「クールビズ」にも――。民主党の西岡武夫参院議院運営委員長は8月9日の議運理事会で、本会議や委員会の審議中にネクタイ着用を義務づけるよう求めた。各派持ち帰って協議することになったが、西岡氏は「内閣に対する意見にもなる」として、政府が主導するクールビズの廃止論を唱えて牽制(けんせい)している。
参院では、政府がクールビズを呼びかけた05年から、各会派の合意に基づいて夏場の軽装を認めている。西岡氏は、会期末の10日に秋の臨時国会以降のネクタイ着用義務化の合意を得たい考えだが、自民党理事は「10日までは無理」などと反発。先例の変更も伴うため、「ケースをいくつか想定して覚書を作らないといけない」(民主党理事)との意見も出た。
衆院では、河野洋平議長の意向で本会議場内だけネクタイ着用を義務化。ちなみに民主党の小沢代表は、夏場でも国会内でネクタイを着用している。
民主党の迷走が始まっています。9日の参院議委員運営委員会の理事会で、民主党の西岡武夫参院議院運営委員長は、参院本会議や委員会中にネクタイの着用を義務づけることを提案しました。西岡氏は、「(国会)参観の子供たちが制服を着ている中、大人がノーネクタイで議案を審議するのはいかがなものか」と発言しました。自民・公明の与党が進める「クールビズ」が気にくわないということなのでしょうか。まさに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」そのものです。
そもそも参議院では、50年以上前から本会議場でもネクタイを締めなくて良いとの慣例が続いています。参院での議事運営や規律を定めた「参議院先例録」によると、1951年8月10日に、「議場では必ず上着着用」だが「ネクタイは外してもいい」という申し合わせが確認されています。3年目に入ったクールビズ運動ですが、参議院では5月22日の議院運営委員会で、9月30日までの「クールビズOK」を申し合わせており、西岡氏の提案はまさに勇み足といわざるを得ません。

(2007/8/10更新)
8月10日の参議院議院運営委員会の理事会では、西岡氏は、次の臨時国会までに考え方を示すよう開会前に各会派に要請しただけで、ネクタイ義務化には言及しませんでした。ただ、理事会後には「(国会は)国民の生命を含めた重大な事案を審議している。襟を正して審議するべきだ」として、改めてクールビズ廃止論を展開しました。与野党からの反対の声や、マスコミなどの反応を見て、自らのスタンドプレーを少し反省したようです。