9月10日、利根町議会は、県が示した「自主的な市町村の合併推進に関する構想(素案)」に基づき、「龍ケ崎市との合併推進に関する決議」と合併推進のための「財政支援を求める意見書」を賛成多数で可決しました。
「龍ケ崎市との合併推進に関する決議」は、龍ヶ崎市長と市議会に提出され、「龍ケ崎市とは地理的、歴史的にも深いつながりがある」ことを強調し、「合併成就することが町民の悲願」としています。
また、県、国に提出される「財政支援を求める意見書」では「合併を強力に推進するためには、積極的な財政支援が必要」とし、新合併特例法期限内の合併実現への支援を求めています。
利根町と龍ヶ崎市の合併に関しては、旧合併特例法による合併推進協議会で協議していました。2004年7月には、龍ヶ崎市が利根町を編入することで、合併協議が一度は正式にまとまりました。
しかし、2005年には、利根町の遠山務前町長が、合併特例債の町配分額に不満があるとして、独断専行により一方的に合併協議を休止。
龍ヶ崎市との合併は破談となりました。その後、町民が遠山前町長をリコールし、合併推進の現井原正光町長を選んだ経緯があります。
一方、龍ヶ崎市は、利根町との合併には慎重は姿勢に方針転換しており、旧合併特例法でのメリットが期限切れになっている現在、合併に対する市民の関心は薄いとしています。
参考:龍ヶ崎市と利根町の合併協議の経緯
龍ヶ崎市との合併推進決議:利根町議会
読売新聞(2007/9/11)
利根町議会は10日、「龍ヶ崎市との合併推進に関する決議」を賛成多数で可決した。近く決議文を龍ヶ崎市の串田武久市長らに提出する予定。一方の龍ヶ崎市は9月市議会の冒頭、串田市長が「市民の合併に対する機運は高まっておらず、具体的に論じられるような状況にはないと認識している」と表明しており、両市町の温度差が鮮明になっている。
町議会の決議では「龍ヶ崎市とは公共施設の相互利用など強固な結びつきがある。県の合併推進の支援を受け、合併を成就することが町民の悲願」とした。
県市町村合併推進審議会が8月にまとめた合併構想の素案では龍ヶ崎市と利根町の合併は「望ましい組み合わせ」とされ、この日の一般質問で今後のスケジュールなどを問われた井原正光町長は「素案を受け、8月下旬に串田市長らと会談した。知事の正式な枠組みの発表後、町として積極的に働きかけをしたい」と答えた。
同町などによると、両市町の合併協議は2003年12月に始まったが、当時の利根町長が合併に消極的とされ、合併協議会は05年3月に事実上解散し、旧合併特例法の期限が過ぎてしまった。龍ヶ崎市はその後「白紙」との姿勢を崩しておらず、市の担当者も「合併に対する市民の関心は薄い」と話している。