公明党は、与党の中でこの特別会計の改革を推進して、総額27兆円を財政健全化などに活用しました。この特会の改革について、公明党政務調査会副会長(財政金融部会長)の石井啓一衆議院議員から説明を聴きました。以下その内容をご紹介します。
特別会計(特会)は、国の“第2のサイフ”ともいわれ、国の基幹的な税などで経費をまかなう「一般会計」と区別して、特定の事業や資金運用の収支を経理するために、1890年に設置されました。
現在は、年金や社会資本整備、食糧の安定供給、エネルギー対策など、個別の用途ごとの21特会が設けられています。
それぞれの特会は、一般会計からの繰入金と、揮発油(ガソリン)税や地方道路税などの目的税、年金や健康保険の保険料などを財源として、年金や保険金の給付、地方交付税、その他さまざまな事業費など、特定の歳出に充てられています。
特会は、用途ごとに受益と負担の関係が明確になるように設置されたものですが、戦後の財政需要の拡大と行政サービスの多様化に伴って設置数が増加し、複雑になってしまっていました。
また、会計ルールが各特会ごとに規定され、資金調達方法や剰余金の取り扱いのルールが異なることから、会計のチェックが甘くなり、ムダな支出が行われやすいと指摘されてきました。
現に、今春の道路特定財源をめぐる議論では、「道路整備特会」の支出が、マッサージチェアや余暇活動(レクリエーション)などの過剰な福利厚生に使用された実態も明らかになり、問題となりました。
公明党は“税金のムダ遣い追放”の観点から、特会改革の基本的な方針を示した「行政改革推進法」の成立や、それを具体化した「特別会計に関する法律」の成立を強く推進してきました。
特に、「特会法」は、複雑化した特会を整理しチェックしやすくするための法律で、特会ごとに個別に定められていた規定を横断的に見直し、借入金や剰余金の処理などの会計手続きを共通化しました。
公明党の推進で31あった特会を21に削減
また、2006年度で31あった特会を段階的に統廃合し、08年度現在では、21にまで削減されています。11年度までに17特会にすることになっています。
一方、設置されてから過剰に積み立てられた積立金や余ったまま残されている剰余金の活用も進めてきました。06年度からの3年間で総額27.3兆円を一般会計や、国の債務の償還に充てる「国債整理基金特会」に繰り入れ、国債の償還や一般会計の歳入として、財政健全化に役立てています。
繰り入れの内訳は、06年度が「財政融資資金特会」の積立金の取り崩し12兆円と「外国為替資金特会」など4特会の剰余金1.8兆円の計13.8兆円。07年度は7特会の剰余金1.8兆円。08年度は「財政投融資特会」の積立金取り崩しの9.8兆円と、5特会の剰余金1.9兆円の計11.7兆円となっています。
公明党はさらに、特会の見直しを進め、税金のムダを徹底して省いていく考えです。積立金については、現行の積立額が適正かどうかを厳しく点検し、過剰なものは、さらに取り崩していきます。
また、特会で実施している事業についても、事業の要不要を選別する「事業仕分け」の手法で、不必要な事業を廃止し、節減に努めていきます。今後も、さらなる見直しを断行していきます。