4月14日、井手よしひろ県議ら公明党茨城県議会議員会は、7月に運航開始を予定している県のドクターヘリならびに水戸済生会病院での受け入れの準備状況を視察しました。
茨城県では、全国でも初の試みとして水戸市双葉台の水戸済生会病院と茨城町の国立病院機構水戸医療センターとにより共同運航方式を採用しました。具体的には、一週の内、日曜日から火曜日までの3日間は水戸医療センターに、水曜日から土曜日までの4日間は水戸済生会総合病院がドクターヘリの基地病院の機能を果たします。
ドクターヘリの発着するヘリポートと乗員や医師の待機する施設、並びに運航管理室は、両病院に同じ機能を有する施設や機器がそれぞれ整備されます。
茨城県ドクターヘリ事業の運用形態は、基本的には救急車とのランデブー方式が採用されます。消防機関からの出動要請とともにドクターヘリが出動し、一方、救急車はあらかじめ設定してある救急現場に最も近隣の臨時ヘリポート(ランデブーポイント:公共の運動場、公園や小中学校の校庭など)へ向かいます。飛行中のドクターヘリへ患者の情報とともに臨時ヘリポートの場所を無線で連絡し、臨時ヘリポートでドクターヘリと救急車がドッキングします。ドクターヘリに搭乗したフライングドクターは、救急車内で患者の診療を開始し、ドクターヘリ内へ患者を収容し離陸します。
ドクターへリ要請のホットラインは、自動的に当番の病院内に設けられた運航管理室に転送されます。出動要請があると、ドクターヘリ運航管理室から待機している操縦士と整備士に出動命令が出され、ヘリのエンジンを始動させます。同時に救命救急センター医師とフライトナースはヘリポートへ向かい発信準備を行います。要請から離陸までに要する時間は3分以下を目指します。
ドクターヘリの出動は現場の救急隊、もしくは119番通報の内容によっては各消防本部の通信司令室から要請されます。患者の症状によって、最も適した高度医療機関へ迅速に搬送するため、Uターン(基地病院への搬送)とJターン(県内のヘリポートが設置された医療機関への搬送)が、効率的に行われることになっています。
茨城県のドクターヘリは水戸市近郊であれば5分以内で、県内ほとんどの地域をおおむね20分以内でカバーできます。
13日の視察では、運航委託業者である朝日航洋の機長、整備士より実機の構造や機能の説明を受けました。実際に、済生会病院=水戸医療センター=県庁を廻る習熟フライトに試乗しました。その後、水戸済生会病院内で、村田実院長より、ドクターヘリ受け入れの準備状況などを聴き取り調査しました。
その後行われた院長との意見交換では、救急専門医の確保状況、看護師の研修状況などの質問が寄せられました。村田院長からは5名の専門医師を確保することができたことや千葉北総病院、前橋赤十字病院での研修の模様が説明されました。
公明党は、一貫してドクターヘリの全国配備を進めてきました。茨城県が取り組む輪番制によるドクターヘリ運航が成功すれば、規模の大きな医療機関が乏しい地域でもドクターヘリの配備に拍車が掛かることになります。県議会公明党としても全力を挙げて万全の就航体制の整備を図ってまいります。
参考:ドクターヘリに関する公明党および井手よしひろ県議の取り組み