7月1日、茨城県のドクターヘリの運航開始式が水戸済生会総合病院のヘリポート内で行われました。県内の医療関係者、消防関係者、県議会議員など約130人が出席しました。
ドクターヘリは救急医療の機材を積んだヘリコプターに医師と看護師が乗り込み、一刻を争う患者を治療しながら救命救急病院などに搬送します。
運航開始式の中では茨城県の橋本昌知事が「県内には医療機関が十分ではない地域もあり、これまでの訓練も踏まえて充実した救急医療を実施したい」と話しました。県議会議長、県医師会長の祝辞の後、ドクターヘリに乗り込む救急医療専門の医師と看護師が紹介されました。
ドクターヘリは時速200キロ以上で飛行することができ、県内全域をおよそ20分で移動し地域によっては救急車よりも早く患者を搬送することが可能となります。茨城県では県の北部地域に救命救急センターがなく、一刻を争う救急患者が出た場合にも搬送に時間がかかることが指摘されていて、救急医療の確立が課題となっていました。
県央、県北部には設備と人材が整った医療機関が乏しいことから、国立病院機構水戸医療センターと水戸済生会総合病院が共同でフライングドクーとナースを搭乗させ、基地病院の機能を果たします。日曜日から火曜日の3日間が水戸医療センター、水曜日から土曜日の4日間が済生病院が担当します。ドクターヘリの運航は朝日航洋株式会社が受託しています。
運航は365日体制で、原則午前8時30分から午後5時30分まで。ドクターヘリの要請は各消防本部の判断で行います。ドクターヘリが出動しても、費用を搬送された患者さんやその家族が負担することはありません。
初出動は小美玉市内のトラクター横転事故
1日午後から実際の運航が始まり、早速午後4時過ぎに初出動。小美玉市内でトラクターの下敷きになり大怪我をした患者を、応急措置を行い、水戸済生会病院に搬送しました。