8月2日、井手よしひろ県議ら公明党が強くその実現を求めていた、市町村が借り上げた民間住宅を無料提供する制度が、実現に向けて動き出しました。
東日本大震災では、東北三県で多くの住宅が被災し、仮設住宅などの建設が間に合わない状況が続いています。国は、こうした状況を鑑み、東北3県以外の県(または市町村)が民間住宅を借り上げ、東北三県の被災者に無料提供する制度を認めています。家賃が入居人数が4人以下の場合は6万円、5人以上は9万円を上限に、県(または市町村)が借り上げた部屋を提供することになります。借り上げ住宅は災害救助法上の「応急仮設住宅」として、一時的には県(または市町村)がその費用を立て替えますが、最終的には国費で負担されます。入居期間は、被災地の復興の状況に応じて最長2年間入居できます。
福島県が取りまとめた資料によると、民間賃貸住宅の借上げによる支援制度を16県が実施しています。
参考:地方自治体による民間賃貸住宅の公的補助等の情報
茨城県は、現在までこの支援制度の導入に難色を示していました。それは、東北3県とともに深刻な被害を受けた茨城県民が、この制度の恩恵に受けられないとされていたからです。東北三県について、厚労省は県(または市町村)が民間の住宅を借り上げて、被災者の提供することを認め、その費用を国費で負担することを明確にしていましたが、茨城県に対しては明確な言質を表明していませんでした。被災した茨城県民が利用できない制度を、他県の県民にのみ適用することに大きな抵抗があったことは事実です。茨城県は、東北三県に準じた国の費用負担を、強く求めてきました。6月下旬、国から茨城県も被災県として、東北三県と同様の対応を国が認めたため、東北三県、茨城県民を対象とする民間住宅の無料提供制度=民間賃貸住宅の借上げ支援制度の実施準備に着手しました。
具体的な制度導入には、市町村毎に予算措置が必要となり、9月議会での補正予算の承認が必要となります。なお、すでに東北3県から茨城県内の民間住宅に避難している方は、原則として居住開始から遡って家賃の支援が受けられると思われます。