3月9日のの県議会文教警察委員会で、小野寺俊教育長から県生涯学習センタの再編見直しの方向性が示されました。10日付けの地元紙・茨城新聞が伝えるところによると、「2015年度までに4センターを水戸生涯学習センターに統合し、16年度から県生涯学習推進センターに改編。従来、県のセンターが提供した学習機会は県内市町村に移転し充実を図る」という内容です。
このいきなりの方針発表に、3つの視点から断固反対の姿勢を表明させていただきます。
- そもそも5つの生涯学習センターの再編見直しの議論が、任意の検討委員会で進められていること自体、県議会文教治安委員会(旧名称)には全く報告されていませんでした。9日の委員会で、いきなりその結果が報告され、来年度(4月)早々に再編の結論を出すとしていることは、議会軽視、委員会軽視も甚だしい。
- 現行の5つの生涯学習センターは、地域の特色を活かしながら、活動の充実を図っており、水戸中心の集権的な運営は時代に逆行する考え方ではないか。
- 新しい公共の考え方から、5つの生涯学習センターはいち早く指定管理者制度を導入。NPO法人が運営を受託し、効率的な運営を行うなど、高い評価を得ている。5つの生涯学習センターを統一する場合、その運営は、県の直営や県教育財団などの半公的機関が受託せざるを得ない。まさに、生涯学習センタの統合案は、旧態依然の生涯学習センターの運営に戻る最悪の選択である。
以上のような理由から、生涯学習を所管する県議会文教警察常任委員会で、1年掛けて拙速を避けた慎重な審議を強く求めるものです。
今後、県議会公明党としては、3月12日の文教警察委員会で、田村けい子委員が小野寺教育長に、今回の発表の詳細を質問すると同時に、場合によっては、県議会予算特別委員会で緊急の委員外質問を井手よしひろ県議が行うことも検討しています。
県立生涯学習センター再編検討 有識者委、統合も視野
茨城新聞(2012/3/10)
県教委が、県内5カ所の県立生涯学習センターの再編を検討していることが9日分かった。有識者委員会の検討結果を基に協議を本格化し、将来的なセンターの統合も視野に入れる。
検討結果では、県北、鹿行、県南、県西の4センターを県三の丸庁舎に移転予定の水戸生涯学習センターに統合する案が示されたが、県教委は「センターが5カ所あるのは全国でも本県だけで、影響が大きい問題。慎重に協議し、来年度当初には方向性を示したい」としている。
同日の県議会文教警察委員会で、小野寺俊教育長が同委員会の検討結果を報告した。
県教委は、震災被害で一部施設が使用不能となった水戸生涯学習センターの復旧と併せて、県生涯学習センター全体の在り方を検討するため、昨年10月に学識経験者10人により県生涯学習推進検討委員会を設置。2月まで5回の会合が開かれ、検討結果について報告を受けた。
検討結果の主な内容は、2015年度までに4センターを水戸生涯学習センターに統合し、16年度から県生涯学習推進センターに改編。従来、県のセンターが提供した学習機会は県内市町村に移転し充実を図るとした。
小野寺教育長は「生涯学習の提供主体が多様化し、新しい公共など社会的要請への対応が求められる中、県の役割を含めた生涯学習推進体制の見直しが必要と考えた」と説明した。
県内5センターのうち、水戸、鹿行は県教育財団が運営し、県北、県南、県西は指定管理者制度によりNPO法人に委託される。
(写真上:震災で使用できなくなった水戸生涯学習センター、写真下:NPOが指定管理者を受託し高い評価を受ける県北生涯学習センター)