11月22日、公明党の山口那津男代表は公明党本部で、記者団に緊急経済対策の骨子を発表しました。
緊急経済対策の「3つの柱」として(1)景気の下支え(2)未来をつくる(3)地域と雇用を守る―を掲げ、「合計10兆円規模の力強い大型の緊急補正予算を組むべきだ。以後も切れ目のない経済対策、予算や税制、その他の施策を通じて(対策を)継続的に行い、デフレ脱却へこぎ着けたい」との考えを示しました。
山口代表は「景気の下支え」について、需要創出策として、エコカー補助金の復活のほか、住宅リフォーム助成制度や産業空洞化を防ぐ「国内立地補助金」の拡充を挙げるとともに、公明党が提唱する「防災・減災ニューディール」の前倒しを提言しました。
併せて、政府・日銀が一体となった経済運営と、日銀による金融緩和の継続・強化といった金融政策を実施する必要性を述べ、「(需要政策と)一体的に車の両輪として行うことが重要だ」と強調しました。
また、「未来をつくる」に関しては、新しいエネルギー社会の創造に向け、省エネや再生可能エネルギーの技術開発・普及を推進することなどを力説。東日本大震災の被災地の復興を加速し、「新しい街づくり、産業の再生などに向け、復興的な側面と新しい成長を促す側面の両方で一層の力を入れることが重要だ」とも指摘しました。
さらに「地域と雇用を守る」では、政策金融を活用した中小企業の資金繰り支援などを強調。来年3月に期限が切れる中小企業金融円滑化法については「状況を検討した上で、再延長の可否も十分な検討に値する」と述べました。
集団的自衛権行使は認められず
また、自民党が衆院選の政権公約に盛り込んだ憲法への「国防軍」明記について、「選挙に際して、自らの主張、カラーを出すことは尊重すべきだが、われわれは今の憲法を基本的に尊重したい。長年定着した自衛隊という名称をことさら変える必要性は今はない」との考えを示しました。
自民党が政権公約に集団的自衛権の行使を可能にすることを掲げたことに関しては、「必要最小限の武力行使しか認めないという憲法の理解のもとで、(集団的自衛権の行使を)認めることはできないという政府の見解は妥当だ」と述べました。