低所得者対策は欠かせない柱
1月9日、自民・公明与党税制協議会が開かれ、2013年度税制改正に向けた本格論議がスタートしました。その大きな焦点は“消費税増税に伴う軽減税率の導入”。消費税増税に伴う低所得者対策は、今年度中に結論を出すことが、社会保障と税の一体改革に関する民主、自民、公明の3党合意に盛り込まれています。
9日の与党税制協議会で、公明党は軽減税率の導入を強く主張しました。
公明党は、2014年4月に予定される消費税の8%への引き上げ段階からの軽減税率の導入を一貫して主張し、先の衆院選でも強く訴えてきました。
消費税増税は、社会保障制度を今後も維持し、拡充するための安定財源として不可欠なものです。しかし、消費税には低所得者ほど負担が重くなるという逆進性があり、同時に低所得者対策を実施することが欠かせません。それには簡素な給付措置のような一時的なものではなく、本格的な対策でなければ意味がありません。
軽減税率は、欧州連合(EU)の加盟27カ国中、20カ国で導入され、広く採用されている低所得者対策であす。多くの国民が望んでいる制度でもあります。
実際に、マスコミ各社の世論調査でも賛成が7~8割に上っており、「自公で軽減税率を実現せよ」(1月9日付・読売「社説」)、「8%からの導入を決断せよ」(1月8日付・産経「主張」)などの導入を求める論評も多くあります。
自民党には慎重論もあるようですが、公明党と結んだ連立政権合意には「軽減税率導入の検討」が、明確に掲げられています。
8%への引き上げ段階では対象品目を限定し、2015年10月の10%への引き上げで対象を拡大する2段階での導入という考え方もあります。何より「国民に理解してもらえる制度設計にしていくことが重要」(山口那津男代表)であり、軽減税率の導入をめざし議論を深めてい区必要があります。
また、軽減税率のほかにも、自動車関連諸税や住宅取得に係る措置など、消費税増税で負担が増える分野への目配りも必要であり、これらの議論も大きな課題です。
本格的な税制論議は、衆院選の影響もあって例年より1カ月以上遅れたスタートとなりました。公明党は「国民の目線」に立って、議論を急ぎ、与党税制改正大綱に明確な方向性を反映していく決意です。
1月10日、公明党の山口那津男代表は、2013年度税制改正で焦点となる消費税率8%への引き上げ段階での軽減税率導入について、以下のような見解を述べました。
山口代表:わが党が訴えてきた(消費税率)8%段階からの軽減税率は、社会保障と税の一体改革の(自公民)3党協議の中で既に盛り込まれているので、与党税制協議の内容として、しっかりと主張していく。(与党税制改正大綱に導入を明記するというのが)基本的な考え方です。
(8%段階では対象品目を限定して導入するかについて)コメ、みそなどは、導入をしやすくするとすればという一つの例えで出たものだ。今後、8%段階での導入にどういう課題があるか、それにかなう方法があるか(与党税制協議で)幅広く検討してもらいたい。
(所得税の最高税率見直しについて)3党合意の中で累進度を高めるという議論があった。わが党は「課税所得が3000万円以上は45%、5000万円以上は50%にすべき」と主張したので、自民党との協議の中で訴えていく。