安倍総理の靖国神社参拝問題。地元紙茨城新聞の一面に、井手よしひろ県議のコメントが掲載されました。
「自民評価も公明困惑」との見出しで、「なぜ、今なのか。参拝してから丁寧に説明するのではなく諸外国の理解を得てから参拝すべきだ。個人の思いと今の立場をわきまえて欲しかった」と紹介されました。
本当に戦没者を追悼する気持ちがあるのなら、千鳥ケ淵戦没者墓苑に花を手向ければ良いと思います。
そもそも靖国神社の前身は、明治維新の戦火で亡くなった官軍の慰霊のために建立された「東京招魂社」です。幕末の志士や日清、日露戦争、そして昭和戦争の戦没者らが合祀されました。当然、明治維新で賊軍とされた旧幕府軍は祀られていません。また、官軍を率いた西郷隆盛も、最期は西南戦争で明治政府に敵対したために合祀されていません。
靖国参拝が外交問題、政治問題化した背景には、極東国際軍事裁判で処刑された東条英機元首相ら、いわゆる「A級戦犯」が合祀されているからです。特に、中国や韓国、東南アジアの諸国には、戦争犯罪人が祀られている宗教施設を一国の首相や閣僚が参拝することへの違和感が根深くあります。
今回安部首相は、靖国神社の境内にある「鎮霊社」に参拝したことも強調しました。鎮霊社とは靖国神社には合祀されない国内外の戦死者らの慰霊施設です。もし、こうした配慮があるならば、むしろ千鳥ヶ淵戦没者墓苑に参拝するのが筋です。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、所管する環境商のホームページによると「先の大戦で海外における戦没軍人及び一般邦人のご遺骨を納めた『無名戦没者の墓』として昭和34年3月28日に創建されました。平成25年5月現在358,260柱が、六角堂内に安置されています。毎年5月に厚生労働省主催の慰霊行事として拝礼式が、また、年間を通じて各種団体主催の慰霊行事が随時行われています」とあります。
かねてから公明党は、外国からの元首も参拝できる無宗教の国立追悼施設の建立を強く主張しています。
首相の靖国参拝は残念
公明新聞(2013/12/27)
外交への影響懸念 問題解決へ自ら努力を、山口那津男代表
公明党の山口那津男代表は26日、参院議員会館で記者団に、安倍晋三首相の靖国神社参拝について、大要次のような見解を述べた。
●かねてから、首相の靖国神社参拝が政治問題、外交問題を引き起こすので、安定的な(外交)関係をつくるためには避けた方がいいと繰り返し述べてきた。にもかかわらず参拝したのは、今後、引き起こす問題を考えると残念だ。
●中国や韓国などから反発が出るだろう。国内にもいろいろな意見があるので、批判や反発も出るだろう。それらをある程度予測した上での行動であろうから、首相自身が問題解決へ努力する必要がある。問題を乗り越えて、大局的な立場で反発する国々との関係改善を図る努力をしていかなければならない。われわれも最大限努力したい。
●首相から(参拝の)出発直前に連絡があった。問題を引き起こすという点からして、賛同できないと言った。